中古船を浮体式データセンターに改造、商船三井と日立が合意
2026年3月30日 (月曜) 16:58
中古船を浮体式データセンターに改造
株式会社商船三井(以下、商船三井)、株式会社日立製作所(以下、日立製作所)、株式会社日立システムズ(以下、日立システムズ)の3社は、中古船を改造した浮体式データセンター(Floating Data Center:FDC)の開発・運用・商用化に向けた基本合意書(MOU)を締結した。生成AI技術の普及に伴い急増するデータセンターの需要に応えるのが目的。2026年3月30日に発表した。
図1 中古船を改造したFDCイメージ
出所 株式会社商船三井 プレスリリース 2026年3月30日、「商船三井と日立、“中古船を改造した浮体式データセンター”の共同開発に向けた取り組みを開始」
中古船活用でスピード開発とコスト抑制
FDCの最大のメリットは、開発期間の大幅な短縮にある。FDCの改造工事は約1年程度で完了することができ、従来の陸上建屋型データセンターの開発と比較し、開発期間を最大3年短縮できる見込みだ。また、既存の船体や空調、取水、発電機などの船内システムを活用することで、原材料の採掘・加工に伴う環境負荷の低減と、初期投資(CAPEX)の抑制が可能だとする。
技術的な特徴として、海水や河川の水を直接活用した水冷式の冷却システムの導入が挙げられる。AI技術向けの高性能サーバは発熱量が大きく、従来の空冷式では冷却が困難になりつつある。FDCは水上に位置するため、効率よく水資源を冷却に利用でき、サーバ冷却にかかる電力消費と運用コストを削減できる利点がある。
さらに、浮体式であるため需要の変化に応じて稼働場所を変更できる「移設可能性」も備える。例えば、約5万4000平方メートルの床面積を持つ大型の自動車運搬船を改造した場合、延べ床面積ベースで日本最大級の陸上データセンターに匹敵する規模を確保することが可能だという。
事業化にあたり、商船三井は船舶の改造計画、港湾当局との協議、海上運用要件の整理、および資金調達スキームの検討を担う。一方、日立製作所と日立システムズは、国内外でのデータセンター運用実績を活かし、データセンターの設計・建設・運用の技術検討、ITインフラの設計・建設・運用、ネットワーク・セキュリティの要件定義、顧客開拓などを担当する。
今後は、日本、マレーシア、米国を中心に需要検証や基本仕様、運用手順の検討、事業化の検証を進める。
参考サイト
株式会社商船三井 プレスリリース 2026年3月30日、「商船三井と日立、“中古船を改造した浮体式データセンター”の共同開発に向けた取り組みを開始」



