茶畑でペロブスカイトによるソーラーシェアリングの実証開始、静岡県と電気通信大

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年4月28日 (火曜) 8:00

茶畑でペロブスカイトの実証

 国立大学法人電気通信大学(以下、電気通信大学)と静岡県は、茶畑でペロブスカイト太陽電池注1の実証実験を開始した。ペロブスカイト太陽電池を筒に封入したモジュールを活用し、発電と農業を両立させるソーラーシェアリング注2を検証する。2026年4月27日に発表した。

図1 茶畑に設置した「吊り橋型円筒形太陽電池モジュール」

出所 静岡県 記者提供資料 2026年4月27日、「茶畑でペロブスカイト太陽電池によるソーラーシェアリングを検証します」

円筒状で発電安定、吊り橋で強固な架台不要に

 静岡県は恵まれた日照環境を生かした太陽光発電の導入拡大を目指しており、ペロブスカイト太陽電池をはじめとする新技術の普及および関連ビジネスへの参入促進に取り組んでいる。本実証実験は、静岡県の「令和8年度次世代型太陽電池導入モデル創出業務委託事業」として電気通信大学が受託して実施するものである。電気通信大学は前年度に静岡県菊川市の農林技術研究所茶業研究センター内の茶畑にモジュールの設置を完了しており、2027年3月まで年間を通じ、円筒形太陽電池の発電量の計測と茶の成長評価を行う。

 実証には、「吊り橋型円筒形太陽電池モジュール」を活用する。同モジュールは、薄くて曲げることができるペロブスカイト太陽電池シートを円筒状の筒の中に封入した構造を持つ。これにより、太陽の位置によらず一日を通して多くかつ安定した発電が可能となるとする。さらに、複数の円筒形太陽電池を並べることで生じる隙間を太陽光や風、雨が通過し、下部で栽培される茶葉に直接届く仕組みとなっている。

 また、モジュール構成に吊り橋型を採用したことで強い風を受け流すことができ、強固な架台の設置や撤去工事が不要となる。そのため、地面が柔らかく急峻な斜面を持つ茶畑などへの設置も容易としている。なお、使用機器の配線には静岡県沼津市に拠点を置く矢崎エナジーシステム株式会社の技術が活用されている。

 今後、電気通信大学と静岡県は、実証実験の結果を踏まえ、県内の企業等と連携して吊り橋型円筒形太陽電池モジュールの特長を生かした本格的なソーラーシェアリング事業への展開を目指す。


注1:ペロブスカイト太陽電池:薄く軽く曲げることができる次世代型の太陽電池であり、設置場所の制約が少なく多様な場所への適用が期待されている。 
注2:ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電):農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置し、太陽光を農業と発電で共有しながら両事業を同時に行う仕組み。

参考サイト

静岡県 記者提供資料 2026年4月27日、「茶畑でペロブスカイト太陽電池によるソーラーシェアリングを検証します」 
国立大学法人電気通信大学 ニュースリリース 2026年4月27日、「【ニュースリリース】吊り橋型円筒形太陽電池モジュールによるソーラーシェアリング事業」

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