SAF供給拡大へ、日本産業機械工業会がJ-BAS設立
2026年4月8日 (水曜) 8:00
バイオエタノール製造プロセスの確立を目指すJ-BASを設立
一般社団法人日本産業機械工業会(以下、日本産業機械工業会)は、持続可能な航空燃料(SAF)注1の原料となるバイオエタノールの国産化を目指し、産学連携コンソーシアム「J-BAS(Japan Bio Alcohol from Sorghum)」を設立した。乾燥や塩害に強く、食料との競合も少ない作物「ソルガム」を原料に国内の産業機械技術をパッケージ化し、今後3〜5年以内に国産バイオエタノールの供給体制を構築するという。2026年4月7日に発表した。
国産バイオエタノールの製造コストを100円/ℓ以下に
J-BASは、原料の粉砕・輸送から、熱回収、反応制御、膜分離注2、蒸留、そしてプラント構築に至るまで、国内メーカーが持つ産業機械技術を統合し、パッケージ化を進める。これにより、現在海外産では150〜250円/ℓとされるバイオエタノールの製造コストを、100円/ℓ以下まで引き下げる。
バイオエタノールの原料には国内で栽培可能なソルガムを活用する。ソルガムについては、地域の農家や営農組織、自治体との連携による国内調達を検討している。
今後3〜5年をめどに、J-BASは、エタノールからSAFを製造するATJ(Alcohol-to-Jet)の技術を確立する計画である。その後の実証プラントの建設や商用化のフェーズでは、実施主体を別組織や企業主体のコンソーシアムに移行する想定だ。
航空業界では、国際民間航空機関(ICAO)などが2050年までのカーボンニュートラル実現を目標に掲げている。日本産業機械工業会によると、目標達成には、2030年までに使用燃料の10%をSAFへ移行することが不可欠であるが、2020年時点の世界供給量はジェット燃料全体の0.03%にとどまる。この深刻な需給ギャップを解消するためには、輸入に頼らない国産SAFの供給体制が不可欠である。
注1:SAF(Sustainable Aviation Fuel):化石燃料以外から製造される持続可能な航空燃料。従来のジェット燃料と混合して使用可能で、CO2排出量を大幅に削減できる。
注2:膜分離:特定の成分のみを透過させる膜を利用して、混合物から目的の物質を分離・濃縮する技術。蒸留に比べてエネルギー消費を抑えられる利点がある。
参考サイト
一般社団法人日本産業機械工業会 ニュース 2026年4月7日、「SAF供給拡大に向けた産学連携コンソーシアム『J-BAS』を創設」
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