国単位で農業由来のGHG排出を可視化、Green Carbonがシステム開発へ

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年4月9日 (木曜) 12:12

国単位で農業由来のGHG排出を可視化するシステムを構築へ

 カーボンクレジット創出を支援するGreen Carbon株式会社(以下、Green Carbon)は、衛星データを活用し、国単位で農業由来の温室効果ガス(GHG)排出量を算定・管理するためのシステムを構築する(図1)。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)「宇宙戦略基金事業」の採択を受け、ベトナムで事業を進める。2026年4月6日に発表した。

図1  Green Carbonは、衛星データを活用し、農業由来の温室効果ガス(GHG)排出量の可視化するシステムを構築する

出所 Green Carbon株式会社 ニュースリリース 2026年4月7日、「【宇宙から農業排出を可視化】JAXA宇宙戦略基金事業に総額15億円規模で採択、ベトナムのカーボンクレジット開発と衛星研究を統合し国家規模の排出管理システムを構築」

農業データ基盤と衛星データの研究結果を組合わせ算定範囲を拡大

 Green Carbonは、自然由来のカーボンクレジット創出事業を東南アジアで進めている。特にベトナムでは、稲作におけるメタン排出を抑制するAWD(間断灌漑)注1技術の導入に取り組んでおり、現地の大学や研究機関と連携してメコンデルタを含む全国15拠点でプロジェクトを実施してきた。

 同社はこれらのプロジェクトで、独自のカーボンクレジット創出基盤「Agreen注2」を活用し、現場のモニタリングデータを収集・管理している。2023年からはJAXAの衛星データ(だいち2号)を活用した事業化実証にも着手しており、地上データと衛星データを組み合わせ、MRV(Measurement, Reporting and Verification)注3の効率化や、カーボンクレジットの信頼性や品質の向上を図っている。

 今回、開発・実証するシステムでは、Agreenを通じて収集される農業データ基盤と、衛星データの研究結果を組み合わせる。具体的には、地上で得られる農作業の実測データと、宇宙からの広域観測データを組み合わせ、これまでのプロジェクト単位での排出管理から、より広範なデータ基盤へと拡張する。最終的には国家単位でGHG排出量を管理するシステムの構築を目指す。

 このプロジェクトは、「宇宙戦略基金事業」の技術開発テーマである「衛星データ利⽤システム実装加速化事業(A)衛星データ利用システムの開発・実証」に採択されている。同社の提案額15億円で、採択金額は今後の審査で確定する


注1:AWD(Alternate Wetting and Drying):間断灌漑。水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返す手法。水使用量の削減とメタン排出抑制に寄与する。
注2:Agreen(アグリーン):カーボンクレジット創出に向けたワンプラットフォームサービス。シミュレーションからプロジェクト登録・申請・販売までを支援する。
注3:MRV(Measurement, Reporting and Verification):温室効果ガスの排出削減量などを測定、報告、検証すること。

参考サイト

Green Carbon株式会社 ニュースリリース 2026年4月7日、「【宇宙から農業排出を可視化】JAXA宇宙戦略基金事業に総額15億円規模で採択、ベトナムのカーボンクレジット開発と衛星研究を統合し国家規模の排出管理システムを構築」

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