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三井不動産が「柏の葉スマートシティ」に日本ガイシの電力貯蔵用NAS電池システムを設置、分散電源エネルギーの街区間電力相互融通が本格稼動

2015/01/28
(水)
SmartGridニューズレター編集部

三井不動産株式会社(以下:三井不動産、東京都中央区、代表取締役社長:菰田 正信)は、環境共生・健康長寿・新産業創造を目指して街づくりを進めている千葉県柏市「柏の葉スマートシティ」において、日本ガイシ株式会社(以下:日本ガイシ、名古屋市瑞穂区 代表取締役社長:大島 卓)の電力貯蔵用NAS電池システム(※記事末尾を参照)を設置し、2015年1月より運転を開始した。

NAS電池の設置により、太陽光発電や蓄電池などの分散電源エネルギーを街区間で相互に融通するスマートグリッドが本格的に稼動する。自営の分散電源や送電線を使い、公道をまたいで街区間で電力相互融通を行う日本初の事例となる。

これまでは、「ゲートスクエア」(ホテル・オフィスなど)側から「ららぽーと柏の葉」(商業施設)へ一方的に電力を供給していた。今回、「ららぽーと柏の葉」側に新たにNAS電池が設置されたことで、平日の電力需要が高まる「ゲートスクエア」側へ供給することができ、街全体の電力ピークカットが実現可能になる。また、休日は商業施設の電力需要が高まるため、「ゲートスクエア」から「ららぽーと柏の葉」に電力を供給する。

今回設置したのは、平常時のピークカットや非常用電源として稼動する機能を備えたNAS電池システムで、定格入力、出力ともに1,800キロワット、定格容量は7.2時間放電で1万2,960キロワット時。

これらの取り組みにより、柏の葉スマートシティの地域レベルで約26%の電力ピークカットを行い、省エネルギー・CO2削減に貢献するとともに、「ゲートスクエア」「ららぽーと柏の葉」の両施設合計で、電気料金削減など年間約1,000万円の経済的なメリットを見込みます。

また、災害などにより系統電力が停電した非常時には、柏の葉スマートシティに分散設置した発電・蓄電設備の電力を「特定供給」として住民生活の維持に必要な施設・設備にまで供給し、街の防災力も高める。

 

 

 

 

 

 

<NAS電池システムとは>

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の電力貯蔵システム。負極(マイナス極)にナトリウム(Na)、正極(プラス極)に硫黄(S)、両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを用いて、硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す蓄電池(二次電池)である。
大容量、高エネルギー密度、長寿命を特長とし、鉛蓄電池の約3分の1のコンパクトサイズで、15年の長期にわたって安定した電力供給が可能。導入実績は全世界で約190カ所、合計45万キロワット(容量315万キロワット時)以上におよぶ。

<NAS電池システムの特長>

  1. 電力負荷の平準化によりピーク時の節電を実現し、契約電力を下げることでエネルギーコストの削減が可能。
  2. 不安定な再生可能エネルギーの出力変動を緩和、安定化させることができ、環境負荷の低減に貢献。
  3. 災害・緊急時には非常電源として電力を長時間供給できるため、BCP(事業継続計画)の観点からも有効。

<NAS電池システム仕様>

設置場所 ららぽーと柏の葉(千葉県柏市)
定格出力 1,800キロワット
定格入力 1,800キロワット
定格容量 1万2,960キロワット時(7.2時間放電)
用途 非常電源、電力負荷平準
稼動時期 2015年1月

 

【 柏の葉スマートグリッドの全体イメージ <平常時> 】

【 柏の葉スマートグリッドの全体イメージ <非常時> 】


■リンク
三井不動産
日本ガイシ

 

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