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川崎重工、LNG燃料で航行が可能な自動車運搬船「AUTO ECO」を引き渡し

2016/09/30
(金)
SmartGridニューズレター編集部

2016年9月30日、川崎重工株式会社(以下:川崎重工、東京都港区、取締役社長:金花 芳則)は、2016年9月29日に中国南通市の南通中遠川崎船舶工程有限公司(以下:NACKS)において、ノルウェーのUECC(IOM)LTD向け4,000台積み自動車運搬船「AUTO ECO」(2016年11月下旬に命名予定)を引き渡したことを発表した。

同船は、自動車運搬船では世界で初めて主機関および発電機機関に二元燃料エンジンを採用しており、LNGおよび舶用燃料油(重油)が使用可能となる。国際海事機関(IMO)による各種排ガス規制強化が進む中、川崎重工は、クリーンエネルギーとして世界的にさらなる需要の増加が予想されるLNGを主な燃料とする多様なLNG燃料船の建造に注力していく。
また、LNG燃料船の建造だけでなく、LNG燃料化に必要なサプライチェーン構築のため、LNG燃料供給船の建造および川崎重工グループが保有するLNGに関する広範な総合技術のシナジーを活かし、一般商船全体のガス燃料化への取り組みを予定する。

主要目

全長 約181m
長さ(垂線間) 170.50m
幅(型) 30.00m
深さ(型) 30.22m
満載喫水(型) 9.60m
総トン数 42,424トン
載貨重量 16,995トン
自動車積載台数 3,985台
主機関 MAN B&W 8S50ME-C8.2-GI
ディーゼル機関1基
連続最大出力11,100キロワット×113回転/分
乗船定員 30名
船級 ロイド船級協会(LR)
船籍 MADEIRA

 

特徴

  1. 同船は、自動車運搬船としては世界で初めて主機関および発電機機関に二元燃料エンジンを採用している。重油の他、LNGも燃料として使用可能であり、LNG使用時は、従来の重油焚き主機関と比べて、排気ガス中の二酸化炭素(CO2)23%、窒素酸化物(NOx)13%、硫黄酸化物(SOx)92%、粒子状物質(PM)37%の排出量を削減することが可能である。LNG使用時には、EEDI規制のフェーズ3を達成できる。
     
  2. 倉内は、スペースを有効に利用できる船体構造を採用し、標準車を3,985台積載できるスペースを確保。また、乗り込みデッキは、危険物を積んだ車両の積載が可能。
     
  3. 倉内に配置された10層のカーデッキの内、2層は可動式となっている。また、この可動式デッキを格納することにより、2層分の高さ(空間)が確保され、バスやトラック等の大型車を含む多様な車種の積載に柔軟に対応できる。
     
  4. 最高水準の耐氷仕様アイスクラス「1Aスーパー」を採用しており、バルト海の厳しい氷海域を航行することが可能。

■リンク
川崎重工

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