タケエイは2017年2月2日、岩手県花巻市に建設中だった木質バイオマス発電所「花巻バイオマスエナジー花巻発電所」が完成し、運転を開始したと発表した。この発電所の事業はタケエイの子会社である「株式会社花巻バイオマスエナジー」が担当している。
この発電所の燃料は木材チップ。発電所に隣接する木材加工工場から供給を受ける。木材チップの原料となる木材は、地元で採集した間伐材のほか、松くい虫の被害を受けたアカマツ材を活用する。この工場を運営するのは「花巻バイオチップ株式会社」。タケエイが58.6%の株を持つほか、地元の森林組み合うや木材関連企業も株を保有している。
図 花巻バイオマスエナジー花巻発電所(左)と、花巻バイオチップの加工工場(右)
出所 タケエイ
発電した電力は地元の電力小売業者である「株式会社銀河パワー」などの業者に売電し、業者を通して地元の公共施設などに供給する計画となっている。地元で集めた燃料でエネルギーを作り、地元で消費する「地産地消」の実現を目指す。
図 地元で集めた木材を地元で加工し、地元で発電する。その電力を消費するのも地元
出所 タケエイ
花巻バイオマスエナジー花巻発電所の最大出力は6.25MW(6250kW)。花巻バイオマスエナジは年間発電量を約4万MWh(約4000万kWh)と予想している。一般世帯の年間電力消費量に換算すると約1万4000世帯分になる。花巻バイオマスエナジーは、発電だけでなく排熱を農業に活用する計画も立てている。
花巻バイオマスエナジー花巻発電所はタケエイグループで2カ所目となる木質バイオマス発電所となる。同グループでは、福島県田村市、神奈川県横須賀市、秋田県大仙市でもバイオマス発電所を建設するため準備を進めている。