シャープは2017年4月6日、HEMS(Home Energy Management System)の新製品「クラウド連携エネルギーコントローラ <JH-RV11>」を発表した。6月12日に発売予定。価格は10万3600円(税別)。HEMSというと、世帯で消費している電力量を計測し、グラフなどの形でわかりやすく表示するものが多いが、今回の新製品はクラウドと連携することで家電製品の使用状況を確かめたり、エアコンなどを遠隔制御する機能も搭載している。
図 シャープが発表した「クラウド連携エネルギーコントローラ」
出所 シャープ
クラウド連携エネルギーコントローラの最大の特徴は、ほかのHEMSが標準で備えている液晶ディスプレイを持たない点にある。ほかのHEMSでは、専用の液晶ディスプレイに消費電力量の推移を表示するが、この新製品では、消費電力のデータをシャープが運営するクラウドに送信する。消費電力量などを確認したいときは、専用アプリケーションをインストールしたスマートフォンやタブレットで、シャープのクラウドにアクセスする。
また、コンセントごと、あるいは分電盤のブレーカー単位の消費電力量を確認することもできる。この機能を利用して、外出先からテレビや照明を消し忘れていないかを確認するということも可能だ。離れて暮らす高齢の親の住宅にこの製品を設置して、家電製品の使用状況から無事を確認するという使い方も考えられる。ただし、コンセントごと、ブレーカー単位の消費電力量を確認するには別売りの電力センサーが必要になる。
図 別売りの電力センサー。左から交流100V/15A対応の「JH-AP01」、交流100V/20A対応の「JH-AP02」、交流200V/20A対応の「JH-AP03」。3製品とも、計測値をIEEE802.15.4の無線通信で発信する
出所 シャープ
また、クラウドと連携することで初めて実現した機能として、気象データの変化に応じた家電製品の制御機能が挙げられる。住宅用定置型蓄電池や太陽光発電システムを、希少の変化に応じて制御できる。晴天で発電量を期待できるときは発電した電力を積極的に売電し、曇天のときはなるべく蓄電池に電力を貯めて、住宅ではその電力を使用するということを自動制御する。
さらに、大雨、暴風、暴風雪、大雪の気象警報をクラウドで検知して、住宅の電動窓シャッターを自動的に閉める機能も備える。現在のところ、この機能は文化シヤッターの「マドマスター・スマートタイプ」が対応する。
電動窓シャッターに合わせてエアコンも遠隔制御する機能も搭載した。ECHONET Lite通信機能を持つエアコンが対象となるが、例えば外出時にスマートフォンの操作でエアコンを停止させ、電動窓シャッターを閉めるということが可能になる。また、帰宅前にエアコンの運転を開始させ、電動窓シャッターを開けておくことで、住宅に入ったときに快適に感じる温度にするということも可能だ。
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