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「水素があふれる街」山口県周南市、地方卸売市場に純水素燃料電池を導入

2017/04/28
(金)
SmartGridニューズレター編集部

東芝は、山口県周南市の地方卸売市場に純水素燃料電池を納入し、稼働を開始したと発表した。

東芝は2017年4月27日、山口県周南市の地方卸売市場に純水素燃料電池を納入し、稼働を開始したと発表した。周南市ではトクヤマが同社の苛性ソーダ工場から発生する水素を活用する実証事業を東ソー、山口県、周南市、下関市と共同で進めている(参考記事)。トクヤマが事業開始を発表したときには周南市の「周南スイミングクラブ」に出力100kWの燃料電池が設置済みだったが、これも東芝が納入したものだという。

図 周南市の地方卸売市場に設置した東芝の純水素燃料電池

図 周南市の地方卸売市場に設置した東芝の純水素燃料電池

出所 東芝

東芝が今回納入した燃料電池も、周南スイミングクラブに納入したものと同じ製品。出力は100kWで、起動から5分で発電を始められるという。もちろん、トクヤマからの水素の供給を受けて稼働させる。この燃料電池で発電した電力は地方卸売市場で消費する。具体的には花卉類を保管する冷蔵庫などで消費するとしている。また、発電時に発生する熱は市場内の空調や給湯に利用する。

スイミングクラブと市場に設置した燃料電池は今後運転を続けながら、経済的な効果、CO2削減効果などの面から評価していくという。トクヤマが発表した計画では今後、周南市内の道の駅にも燃料電池を設置することになっている。東芝によると、依頼があればぜひとも納入したいとしているが、現時点では具体的は商談はないという。トクヤマの工場が稼働する限り、周南市には純度が高い水素があふれ続ける。水素を必要な場所に届けるサプライチェーンの構築を期待しながら待ちたいところだ。


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東芝

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