CO2を微生物で有用物質に、日揮HDが神戸にバイオものづくり拠点

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年6月10日 (水曜) 9:00

CO2から有用物質を生産する研究棟で開所式

 日揮ホールディングス株式会社(以下、日揮HD)は、二酸化炭素(CO2)から有用物質を生産する「バイオものづくり研究棟(JBX1)」(兵庫県神戸市ポートアイランド)の開所式を2026年6月9日に実施した(図1)。同施設は、世界初というガス循環発酵の基盤設備を備えている。2026年1月に建屋が竣工し、設備の導入などを経て本格的な稼働体制が整った。同日に発表した。

図1 「バイオものづくり研究棟(JBX1)」の外観

出所 日揮ホールディングス株式会社 ニュースリリース 2026年6月9日、「ガス循環発酵によるバイオものづくり研究棟の開所式を実施」

27年末に2棟目の研究開発拠点を竣工

 バイオものづくりは、化石資源に依存せず、微生物を活用し化学品・素材・エネルギー・食品などを製造する手法。日揮HDは、経済安全保障や持続可能な社会の実現に向けた課題が顕在化する中で、バイオものづくり製品の需要が大きく拡大すると見込む。また、経済協力開発機構(OECD)は、バイオものづくりを含めたバイオエコノミーの世界市場規模が2030年には200兆円に達すると試算している。

 今回、開所式を実施したバイオものづくり研究棟は、日揮HDがガス循環発酵技術の研究開発拠点として整備を進めている「バイオプロセス研究所(通称、JBX)」の1棟目となる施設。延床面積は約3400平方メートルで、5L〜200L規模のベンチスケールガス培養槽を棟内に複数設置し、生産プロセスを段階的にスケールアップしながら、生産実証を進める。

 JBXでは、CO2を原料に微生物の一種である水素酸化細菌を用いて、種々の有用物質を生産する。ガス発酵のプロセスには、同社の可燃性ガスを取り扱う「ガスハンドリング技術」を活用する。

 日揮HDは、株式会社バッカス・バイオイノベーション、株式会社カネカ、株式会社島津製作所の3社と共同で「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」を進めており、JBXはその重要拠点となる。なお、同プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に採択されている。

 日揮HDは、バイオものづくり事業を、中期経営計画の中で重点戦略とするソリューションビジネス拡充の中核に位置付けている。2026年から2030年までをバイオものづくり事業の創成期とし、研究開発・スケールアップ・事業化を一体的に進める。

 今後、スケールアップに向けて同敷地内で2棟目(JBX2)の計画に着手し、2027年末の竣工を目指す。


参考サイト

日揮ホールディングス株式会社 ニュースリリース 2026年6月9日、「ガス循環発酵によるバイオものづくり研究棟の開所式を実施」
 

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