九州電力は2017年12月15日、アメリカ・ペンシルバニア州で建設中の「バーズボローガス火力発電所(Birdsboro Power)」の持ち分11.1%を取得したと発表した。2017年4月に双日が取得した株式33.33%(参考記事)の一部を購入する。これで、バーズボローガス火力発電所の株主構成は、アメリカAres EIF Managementが33.3%、東京ガスが33.3%、双日と九州電力の合計が33.3%となる。
図 バーズボローガス火力発電所の建設地。ニューヨークやワシントンD.C.などの大都市に近いところに位置している
出所 九州電力
バーズボローガス火力発電所の所在地はペンシルバニア州バークス郡バーズボロー地区。2019年の商業運転開始を目指して建設中だ。General Electricの最新ガスタービン「7HA.02」と、蒸気タービンを組み合わせたガスタービンコンバインドサイクル(GTCC:Gas Turbine Combined Cycle)方式を採用する。発電所の合計出力はおよそ488MW(48万8000kW)。
図 General Electricの最新ガスタービン「7HAシリーズ」のカットモデル
出所 General Electric
燃料となるガスには天然ガスと、近隣で産出しているシェールガスを合わせて利用する。シェールガスは、アメリカ北東部に広がるアメリカ最大のシェールガス田であるマーセラス(Marcellus)ガス田などから調達する計画だ。
発電した電力はアメリカ最大の卸電力市場であるPJM Interconnectionを通してアメリカ北東部(1つ目の図の青で塗った部分)に供給する。九州電力にとって、バーズボローガス火力発電所の株式取得はアメリカにおける初めての事業だという。今後はヨーロッパや、電力需要の急増が期待できるアジア各地での事業を開発していき、海外事業による収益向上を狙っている。
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九州電力