双日は2017年4月6日、アメリカ、ペンシルバニア州で建設中の「バーズボロー天然ガス火力発電所(Birdsboro Power, LLC)」に出資したと発表した。同発電所の株式を100%保有している米Ares EIF Management社から、33.33%の株式の譲渡を受ける契約を結んだ。
バーズボロー天然ガス火力発電所はペンシルバニア州バークス郡バーズボローに建設中で、2019年春ごろに商業運転開始を予定している。ガスタービンと、ガスタービンの排気で作った蒸気で回す蒸気タービンの2つのタービンで発電するコンバインドサイクル方式となる予定。ガスタービンと蒸気タービンにはGeneral Electric社の最新製品を導入する予定で、発電所の合計出力はおよそ488MWとなる見込み。
図 バーズボロー天然ガス火力発電所の完成予想図
出所 双日
この発電所で発電した電力は地域送電機関(Regional Transmission Organization:RTO)であるPJMが開設している電力卸売市場を通して、アメリカ北東部13州とワシントンDCに供給する。
燃料となるガスはアメリカ北東部に広がるシェールガス田から調達する。現在のところ、アメリカ最大のシェールガス田であるマーセラス(Marcellus)と、カナダのケベック州にまで広がるユティカ(Utica)の両ガス田から調達する予定だ。近隣で手に入る安価なガスを燃料とすることで、収益の最大化を狙う。
PJMが管轄するアメリカ北東部では、老朽化した石炭火力発電所の退役や、原子力発電所の運用停止によって、新設の電力供給源に対する強い需要がある。双日は今後もアメリカで電力に対する投資が拡大すると見て、積極的に発電事業に取り組む姿勢を見せている。
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双日