ITS/IoT、AI時代を背景に、内閣府は2025年を目途に完全自動走行車の市場化を目指して、すでに「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム 研究開発計画」を2016年10月に発表注1している。最近では、この自動運転車への取り組みは大きな流れとなり、国際的にも研究開発が活発化している。
このような背景のもと、九州大学、NTTドコモ、ディー・エヌ・エー(DeNA)および福岡市の4者によって2016年7月8日に結成された「スマートモビリティ推進コンソーシアム」は、九州大学伊都キャンパス内において、2017年1月から自動運転バスの実証実験を開始する注2。
同コンソーシアムは、2018年度下期からの同キャンパス内での自動運転バスのサービスインに向けて、段階的に実際の公道に近い環境に近づけながら自動走行実証を繰り返し行い、自動運転バスの社会受容性の向上と安全性の検証を行う(図)。
図 自動運転バスサービスインに向けたロードマップ
出所 https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/12/13_00.html
また、交通サービスの更なる安全性・利便性の向上につながる周辺技術としては、ドコモとDeNAの開発ワーキングが実現を目指す「路車間協調」「音声エージェント」「運行管制」の3つの機能がある。そのうち、まず路車間協調における歩行者の安心安全を確保する新たな概念「P2X」注3と、運行管制におけるルートの最適化を目指す「オンデマンドバスの管制システム」の開発および検証を優先して開始する。
注1 http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/keikaku/6_jidousoukou.pdf
注2 https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/07/08_00.html
注3 P2X:Pedestrian to everything、交通事故をなくすには、自動車側対策だけでなく歩行者が携帯する安全装置が必要と考える概念。