電力価格に合わせ家庭EV充電機を自動制御、パナソニックら

利用者の利便性と事業性を検証

インプレスSmartGridニューズレター編集部

13:51

電力市場価格が安い時間帯にEV充電機器を遠隔制御する実証

 パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社(以下、パナソニック)とTGオクトパスエナジー株式会社(以下、オクトパスエナジー)は、電力市場価格に連動し、EV(電気自動車)充電を自動制御する実証を開始した(図1)。2026年3月から同5月に実施する予定で、電気代の削減と、電力消費を需要ピークから移す「ピークシフト(上げDR)」の効果を検証する。2025年11月20日に発表した。

図1 パナソニックとオクトパスエナジーの実証概要

利用者の利便性と事業性を検証

 パナソニックとオクトパスエナジーの実証では、パナソニックのアプリケーション「おうちEV充電サービス」で、家庭用EV充電設備(IoT EVコンセント注1)を遠隔制御し、電力市場価格が安く、かつ利用者の生活/充電ニーズに合う時間帯に充電する。

 オクトパスエナジーの電力プラン「EVオクトパス」 を通じて利用者に電気を供給し、遠隔制御のもとEV充電に消費された電力量に、特別料金単価を適用する。

 電気代削減、利便性といった利用者の便益を評価するのに加え、電力消費のピークシフト効果を定量分析し、収益性や参加率、運用コストなどの事業性を検証する。

 参加対象は、東京都内の戸建に居住し、EV/PHEV(プラグインハイブリッド車)を所有する100世帯。EV充電設備の設置と、オクトパスエナジーと電気需給契約を締結する必要がある。

 パナソニックは、遠隔制御基盤として機器やシステム、アプリケーションを提供するとともに、遠隔制御を実施する。オクトパスエナジーは、電力供給と充電制御のスケジュールを策定する。

 パナソニックによると、近年、太陽光発電の比率が高まる昼間や、需要が集中する夕方以降の時間帯では、電力市場価格の上下動が顕著になっている。こうした状況の中、電力使用を電力市場価格の安い時間帯にシフトするデマンドレスポンス(DR)の重要性が高まっており、家庭部門でも活用が求められている。また、EVの普及が進むにつれ、家庭での充電が新たな電力需要のピーク要因となる可能性が指摘されている。


注1:IoT EVコンセント:パナソニック製200VEVコンセントと別途IoT制御モジュール(Nature株式会社製)を組み合わせたもののパナソニックによる呼称。

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