分散型電源プラットフォームの子会社に5社参画
伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠)の子会社で、AI技術を活用し、家庭用蓄電池などの分散型電源を制御するためのプラットフォームを提供するグリッドシェアジャパン株式会社(以下、GSJ)に、オムロンソーシアルソリューションズ株式会社、九州電力株式会社、中部電力ミライズ株式会社、東急不動産株式会社、米Lunar Energy Inc.(以下、Lunar Energy)の5社が2025年11月28日から株主として参画している(図1)。GSJは今回、第三者割当増資等によって16.8億円を調達し、分散型電源プラットフォームの事業拡大を進めるという。伊藤忠が、2025年12月4日に発表した。
図1 「Gridshare」の分散電源の管理画面イメージ
分散型電源の群制御で容量市場・需給調整市場へ参入
伊藤忠商事は、英Moixa Technology, Inc.(現Lunar Energy Limited)への出資を通じ、分散型電源プラットフォーム「Gridshare」の国内独占販売権を取得した。Gridshareは、AI技術などを活用し、蓄電池をはじめとする分散型電源機器の充電と放電を制御するためのシステム。電力会社のデマンドレスポンス(DR)サービスと連携し、家庭用蓄電システムを自動で充放電する機能も搭載している。
GSJは、Gridshareを、伊藤忠商事の家庭用蓄電池「Smart Star」と連携し、2018年から国内で販売しており、2025年10月末時点で、国内で約4万台の蓄電池システムがGSJのネットワークに接続している。
今回、5社による同社への参画を受け、各社の事業基盤を活用し、連携する分散型電源を従来の蓄電池システムから、電気給湯器、電気自動車にまで拡大する(図2)。
図2 Gridshareに接続された分散型電源のイメージ(2025年11月末時点)
これら分散型電源の群制御を通じ、容量市場・需給調整市場へ参入する。同時に、各社のビッグデータを活用した電力サービスの創出を目指す。さらに、共通プラットフォーム内での電力の最適活用(P2P電力取引注1)を通じて、地域内の電力融通を推進する。
注1:P2P電力取引:Peer to Peer電力取引の略称。発電・蓄電設備の保有者(プロシューマ―)と電力の需要家(コンシューマー)が、プラットフォーム上で電力を直接取引するビジネスモデル。地域内での電力融通や需給調整に活用される。