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Q&Aで学ぶH.264/AVC(3):「圧縮」と「符号化」、「圧縮符号化」の違いは?

大久保 榮

2008年2月29日 0:00

このコーナーでは、最新のICT(情報通信技術)のキーワードをQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
ブロードバンド時代の急速な進展を背景に、通信と放送の融合が注目され、本格的な画像コミュニケーション時代が到来しています。このような時代の要請に対応して、新しい「H.264/AVC」という画像圧縮技術が標準化され、国際的な注目を集めています。今回は、「圧縮」と「符号化」、「圧縮符号化」の違いについて解説します。

Q&Aで学ぶ基礎技術:H.264/AVC編(3)
Q3

Q3:「圧縮」と「符号化」、「圧縮符号化」の違いは?

いろいろな書籍や文献で、「圧縮」という言葉や、「符号化」という言葉が登場しますが、これらは、どのように違うのでしょうか。また、「圧縮符号化方式」と言う言葉もよく見かけますが?
A3

≪1≫圧縮は符号化の一部分

「符号化」とは、デジタル情報を通信回線で伝送したり、DVDなどの蓄積メディアに好都合な形(これを「符号」と言う)に変換する処理を表わす一般的な言葉です。

したがって、必ずしも前に説明したような「圧縮」を伴わない符号化もあります。すなわち、圧縮は符号化の一部分ということになります。しかし、音声や画像を符号化する際は、ほとんどの場合、圧縮を目的としていますので、多くの場合、
 ①「圧縮」
 ②「符号化」
 ③「圧縮符号化」
という3つの用語は同じ意味で使われています。圧縮の逆の過程は「伸張」(伸ばし広げること、すなわち元に戻すこと)です。「解凍」という言葉も使われていますが、こちらは食品の冷凍・解凍のアナロジーから出てきたものと思われます。「符号化」(エンコード)の逆は「復号」(デコード)と呼ばれます。本コーナーでは、圧縮という意味を含む場合は、基本的に「圧縮符号化」という言葉を使用しています。



※この「Q&Aで学ぶ基礎技術:最新の情報圧縮技術〔H.264/AVC〕編」は、著者の承諾を得て、好評発売中の「改訂版 H.264/AVC教科書」の第1章に最新情報を加えて一部修正し、転載したものです。ご了承ください。

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