2015年7月8日、日本オラクル株式会社(以下:日本オラクル、東京都港区北青山)は、公益業界向け顧客情報管理アプリケーションの最新版である「Oracle Utilities Customer Care and Billing R2.5」の提供開始を発表した。
Oracle Customer Care and Billing (以下:Oracle CC&B)は、公益事業者の顧客に関する契約、検針結果、料金メニューや請求情報などを統合的に管理することができるアプリケーションである。同アプリケーションは、日本でも大手公益事業者に採用されており、特に2016年4月1日より施行される電力小売全面自由化に対応できるよう、新料金メニューなどを短期間で設定できる柔軟性を備えている。
最新版では、次の点が拡張された。
- ユーザー画面の操作性の向上
Oracle CC&Bのユーザー画面として、オラクルのアプリケーション製品のユーザー画面の標準デザインテンプレートである「Oracle Alta User Interface」を新たに採用する。これにより、表示速度の大幅な向上、モバイル対応などが実現される。また、業務部門のスタッフなども直観的に操作できるようにとの配慮から、ユーザー画面の設計方針として定着しつつあるアイコンやテキストの拡大、平面的でシンプルかつ空白を広くとったデザインを実装する。
- アプリケーション開発言語をJavaに刷新
Oracle CC&Bの開発言語は、一部COBOLで実装されていたが、それらをすべてJavaに刷新した。これにより、Javaで構築された他の業務システムとの連携が容易になり、さらに機能拡張も円滑に行うことができるため、電力/ガスシステム改革に求められるシステムの柔軟性を実現する。
また、同社は、同日付けで、2013年に電力システム改革を包括的に支援する目的で組織した「電力システム改革推進室」の名称を「電力・ガスシステム改革支援室」に改めた。同社は、この理由として、2015年6月17日に成立した改正電気事業法による電力/ガスシステム改革により積極的に取り組むためであるとし、ガス会社や電力事業に新規参入する企業も含めて幅広く提案する体制を整え、公益事業者の円滑なシステム変革を支援するとしている。