東京電力フュエル&パワー(東電F&P)は2018年7月17日、「富津火力発電所」(千葉県富津市新富:しんとみ)の設備更新工事が一部完了したと発表した。液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)を燃料とするガスタービンコンバインドサイクル発電設備の、ガスタービンと燃焼器などをセットにした「軸」を最新のものに交換する工事だ。設備更新工事の対象は1986年11月に稼働開始した「1号系列」(全6軸)と、1988年11月に稼働開始の「2号系列」(全7軸)。2号系列では脱硝装置も交換する。最新設備に入れ替えて発電効率を引き上げ、燃料費の削減とCO2排出量低減を狙う。
図 富津火力発電所の全景
出所 東京電力フュエル&パワー
今回は、1号系列の「第3軸」の交換工事が完了した。発電出力は165MW(16万5000kW)から167MW(16万7000kW)に、発電効率は47.2%から51.4%に上がる。その結果、年間の燃料費をおよそ9億円、年間CO2排出量をおよそ4万トン削減できる見通しだ。
東電F&Pは富津火力発電所の設備更新工事を2016年7月から開始し、2018年3月までに合計7軸の交換を済ませている(参考記事)。今回の工事で、1号系列、2号系列合計13軸のうち8軸目まで交換が完了した。
表 富津火力発電所設備更新工事のスケジュール
出力 | 発電効率 | 運転再開時期 | ||
1号系列 | 第1軸 | 165MW→167MW | 47.2%→51.4% | 完了 |
第2軸 | 47.2%→50.5% | 完了 | ||
第3軸 | 47.2%→51.4% | 2018年7月 | ||
第4軸 | 47.2%→50.5% | 完了 | ||
第5軸 | 47.2%→51.4% | 2019年5月 | ||
第6軸 | 47.2%→51.4% | 2019年1月 | ||
2号系列 | 第1軸 | 165MW→160MW | 47.2%→54.3% | 完了 |
第2軸 | 完了 | |||
第3軸 | 2019年8月 | |||
第4軸 | 2018年8月 | |||
第5軸 | 完了 | |||
第6軸 | 2019年3月 | |||
第7軸 | 完了 |
出所 東京電力フュエル&パワー
東電F&Pは今後、8月に2号系列の第4軸、2019年1月に1号系列の第6軸、3月に2号系列の第6軸、5月に1号系列の第5軸、8月に2号系列の第4軸を交換する予定だ。ほかのガスタービンコンバインドサイクル発電所でも設備交換工事を進めており、2017年12月には「横浜火力発電所」(神奈川県横浜市鶴見区)の工事を完了させている(参考記事)。この工事では合計8軸を交換し、年間の燃料費を約80億円、年間CO2排出量を約24万トン削減できる見込みだ。
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