東京電力ベンチャーズは2019年1月15日、電気自動車(EV)をビル用の蓄電池として活用する「V2B(Vehicle to Building)」サービスを手がけるアメリカFermata Energyに250万ドル(2億7500万円:1ドル=110円で換算)を出資すると発表した。Fermata Energyは2013年創業のスタートアップ企業で、バージニア州シャーロッツビル市(Charlottesville)に本社を置いている。2016年にはすでにV2Bサービスを商用化しており、技術やノウハウを蓄積している。
図 V2Bシステムに接続しているEV
出所 Fermata Energy
Fermata EnergyはV2Bシステムを活用して、ビルの電力消費量を監視しながら、デマンド(最大需要電力)が上昇しないようにEVに充電した電力を利用するDCM「Demand Charge Management」というサービスを提供している。デマンドを抑えることで、受電側は電力料金を節約でき、電力会社は需要がピークに達するときに用意しなければならない予備力を減らし、運用コストを下げることができる。
図 EVに充電した電力を利用してデマンドを抑える
出所 東京電力ベンチャーズ
東京電力ベンチャーズは今回の出資を機に、Fermata Energyが持つV2Bに関する技術やノウハウを吸収し、東京電力グループが持つ送電系統に関する知見を組み合わせて、2020年代にはV2Bを利用したDCMサービスを欧米やアジア主要都市で提供することを目指す。