新春特別レポート

動き出したNEDOの米国ニューメキシコ州のマイクログリッド

─ロスアラモスの「スマートハウス」実証実験を見る─

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2013年1月1日 0:00

エネルギー・環境問題やスマートグリッドに取り組む日本最大の研究機関である経済産業省所轄のNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、48億円の予算を投じて、米国ニューメキシコ州政府と共同でマイクログリッドの実証プロジェクトを推進している(2009 ~ 2013年度)。ここでは、ロスアラモス郡実証サイトに設置した最新の「スマートハウス」実証実験の内容を中心に、電力市場における価格弾性の重要性やデマンドレスポンスへの取り組みも含めて、NEDOエネルギー環境本部・スマートコミュニティ部主任研究員の諸住 哲(もろずみ さとし)氏にお聞きし、レポートする。

経済産業省が推進する4つの国内スマートコミュニティ実証事業

現在、日本が推進しているスマートグリッド/マイクログリッドやスマートコミュニティに関する実証事業は、

  1. 経済産業省が国内4カ所で推進するスマートコミュニティ実証事業
  2. NEDOが世界8カ所で推進する国際的なスマートコミュニティ実証事業

という2つの大きな枠組みで推進されている。

国内における主要な実証事業は、経済産業省が「次世代エネルギー・社会システム実証」を2010年度から展開している。これは広く知られているように、表1に示す横浜市、豊田市、京都府(けいはんな学研都市)、北九州市という4つの地域で展開されているスマートコミュニティ実証事業である。

表1 経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証4地域のマスタープラン

【次世代エネルギー・社会システム実証】 経済産業省の新成長戦略の「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」におけるスマートグリッドの構築と海外展開を実現するための取組として位置づけられる事業。実証期間は平成22(2010)~26(2014)年度。
http://www.meti.go.jp/press/20100811001/20100811001.pdf
※マスタープランの詳細は経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム協議会」のページ(http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004633/)で確認できる。

表1  経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証4地域のマスタープラン

一方、NEDO注1は、表2に示すように米国/3カ所、欧州/2カ所、アジア/3カ所の計8カ所で、スマートコミュニティに関する国際実証事業を推進している。それを世界地図上に整理して示すと、図1のようになる。また、これら8カ所のほか、イギリスなどで新規事業の立案に向けた調査などが進められている。

表2 NEDOが推進する海外のスマートコミュニティの一覧

表2  NEDOが推進する海外のスマートコミュニティの一覧

図1 NEDOが取り組む海外スマートコミュニティ実証事業の一覧

図1  NEDOが取り組む海外スマートコミュニティ実証事業の一覧


※本記事中で特に明記していない図・表・写真は、NEDOの提供。

▼ 注1
NEDO:New Energy and Industrial Technology Development Organization、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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