MaLion BEMSクラウドサービス
インターコム〔設立:1982年(昭和57年)6月〕のMaLion BEMSクラウドサービスとは、主に中小規模ビルやテナント企業をターゲットにして、その会社の総務担当者でも容易に使用できるようにした「省エネ管理」を継続的に提供するサービスである。
MaLion BEMS(Buildingではなく、あえてBusiness Energy Management Servi-ce)とは、電力使用量の運用改善を繰り返し継続することによって、電力使用量の削減を支援するクラウドサービスである。
ここで運用改善とは、
- 現状の消費電力等を把握(CHECK)することに始まり、
- 電力ピークを分析し、ピークシフト対策など節電に向けた改善策(ACT)を選定し、
- 省エネに向けた改善策を踏まえ、節電目標の設定と運用ポリシーを設定(PLAN)し、
- その運用ポリシーに基づいて計画を実行(DO)する、
というCAPDサイクル(図1)を実行し、電力使用量の削減を行うことである。
インターコムは、長年にわたって開発し提供してきた同社のベストセラーソフト「MaLion」(現在のバージョンはMaLion 4)を進化・発展させるため、東京大学のICTプロジェクト(GUTP)に参加した。
このGUTP(Green University of Tokyo Project、東大グリーンICTプロジェクト)は、2011年の東日本大震災によって引き起こされた東京電力の福島第一原子力発電所の事故によって発生した電力危機に際して、2011年夏に全学で30%の電力削減を行うなど先進的な役割を果たしたプロジェクトである。GUTPには、NTTやKDDIをはじめ日立製作所、富士通、東芝、鹿島建設、ダイキン、シスコシステムズ、三井不動産など約75社が参加している。
このGUTPによって、現在、実証が行われている東京大学の研究棟において、電力の見える化の実証試験を重ねた結果、MaLion BEMSは、図2の見える化画面に示すような、東京大学工学部のどの研究室で、どれだけの電力が使用されているかを、簡単に表示する運用管理画面(コンソール)用のツール(ソフト)として採用されることになった。
▼ 注1
「IEEE 1888」とは、2011年2月にIEEEで標準化された、IP上で動作するスマートグリッド用のオープンなマルチベンダプロトコルである。東京大学や中国の清華大学、北京インターネット研究所(BII)が中心となって提案し、「IEEE 1888」として策定された。