IoTデバイス(LoRaWANモジュール)の提供

― 最優秀賞は「災害時の避難所用モデル」が受賞 ―

IoTデバイス(LoRaWANモジュール)の提供

 新年早々の2018年1月5日、柏の葉IoTハッカソン実行委員である東京大学大学院 工学系研究科の渡辺誠氏(IoTメディアラボラトリー スペシャリスト)などによって、「柏の葉 IoTハッカソン」を行ううえで必要な、LoRaWANの技術解説およびLoRaWANを活用するためのハンズオン(体験学習)が行われた。

 ここでは、Arduino(アルデュイーノ:小型のマイコン基板)でLoRaWANモジュールを使う方法と、MQTT注3データをNode-RED(オープンソースの接続ツール注4)でグラフィカルに操作し、データを活用する方法などが講義された。同時にハッカソンへの参加者に、図2に示すIoTデバイス(LoRaWANモジュール+マイコン+各種センサー+バッテリー)が会場で貸与された(共催・後援の大学生および関係者には、先着200名に無償貸与)。

図2 IoTデバイスの構成

図2 IoTデバイスの構成

出所 渡辺誠「柏の葉IoTハッカソン概要説明」、2018年1月5日

 このハッカソンへの参加者は、応募するテーマごとに問題を解決するIoTデバイスを作成し、そのデータを処理するIoTアプリケーションを作成した(図3)。

図3 収集したデータはLoRaWANサーバ経由でユーザーのIoTアプリケーションへ

図3 収集したデータはLoRaWANサーバ経由でユーザーのIoTアプリケーションへ

出所 渡辺誠「柏の葉IoTハッカソン概要説明」、2018年1月5日

LoRaWAN応募作品の評価基準と受賞者

表2 LoRaWAN 柏の葉IoTハッカソン審査メンバー

表2 LoRaWAN 柏の葉IoTハッカソン審査メンバー

出所 https://kashiwanoha.connpass.com/event/71754/

 このような経緯で行われた「柏の葉 IoTハッカソン」には、多数の応募(応募総数は非公開)があったが、表2に示す審査メンバーによって、次のような基準による総合的な審査が行われた。

  1. LoRaWANの機能を活かした提案となっているか。
  2. まちづくりのテーマに沿った提案となっているか。
  3. 革新性のある提案となっているか。
  4. 実証実験にとどまらない、実現性が高い提案となっているか。

 その結果、表3に示す受賞者が決定した。

表3 「柏の葉IoTハッカソン」の受賞者(敬称略)

表3 「柏の葉IoTハッカソン」の受賞者(敬称略)

※ 副賞:31VENTURES コワーキングスペース(KOIL、Clipニホンバシ、幕張 共通)利用権1名1年分
出所 http://senseway.net/iot-hackathon/Commendation.html
受賞内容の詳細


▼ 注3
MQTT:MQ Telemetry Transport、M2M/IoTアプリケーション向けに開発された、メッセージ転送プロトコル。センサーやデバイスなどから収集したデータをクラウドに転送する場合などに利用される、軽量で効率的な通信が可能なプロトコル(オープンソースプロトコル)。1999年にIBM と Eurotechによって共同開発された。

▼ 注4
Node-RED: IBMで2013年に開発された、オープンソースの「IoTアプリやWebアプリ」など向けの開発環境(プログラミング・ツール)

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