CO2からPET原料を製造へ、DNPが米スタートアップに出資
2026年1月16日 (金曜) 19:54
水・CO2変換技術の米RenewCO2に出資
大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、水と二酸化炭素(CO2)を化学物質や燃料に直接変換する技術を持つスタートアップ企業の米RenewCO2 Inc(以下、RenewCO2)に出資した。同社はペットボトルなどの主原料であるモノエチレングリコール(MEG)注1などを低エネルギーで製造するシステムの開発を進めている。DNPは精密塗工技術を投入し、製造装置の中核部品である電極部材の開発と量産化を支援する。2026年1月16日に発表した。
2030年までに量産技術の確立へ
RenewCO2は、独自の電気化学触媒材料と電気分解技術により、水とCO2から低コストで化学品を製造する技術に強みを持つ。既に石油採掘や精製、動物飼料の防腐剤などに使われるギ酸の製造プロセスを確立しており、現在は生産能力の拡大と、持続可能な航空燃料(SAF)注2への応用開発を進めている。このプロセスは、従来の製造方式と比較し、温室効果ガス(GHG)の排出量よりも吸収・除去量が上回る「カーボンネガティブ」が可能だという。
DNPは今回の出資を通じ、RenewCO2の製造装置における中核部品である電極部材の提供と、その部材の量産化に向けた開発を支援する。具体的には、DNPが長年培ってきたインキ分散、精密塗工、広幅塗工といったコンバーティング技術を投入する。これにより、RenewCO2の触媒材料の性能を引き出す最適な電極部材を開発し、装置全体の高性能化を図る。また、DNPが持つ量産化に向けた生産技術の知見を供与し、RenewCO2のスケールアップにつなげるとする。
DNPは「DNPグループ環境ビジョン2050」で、自社拠点でのGHG排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。その重要な柱の1つとして、CO2の回収・貯蔵・利活用(CCUS)注3を位置づけてきた。今回の出資は、この取り組みの一環である。
今後はRenewCO2との協業を通じ、2030年までに量産技術の確立を目指す。さらに、パートナー企業と連携し、同装置で製造されたMEGを原料とするPET樹脂製品の開発を進める。
注1:モノエチレングリコール(MEG):PETボトルやポリエステル繊維、不凍液、溶剤などの主原料。
注2:SAF(Sustainable Aviation Fuel):持続可能な航空燃料。廃食油やバイオマス、大気中のCO2などを原料として製造され、従来の化石燃料に代わる次世代燃料として注目されている。
注3:CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):分離・回収したCO2を、地下に貯留したり、新たな資源として有効利用したりする技術。
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