実証・評価編(項目4~6):ガイドラインの中核をなす試験プログラム
実証・評価編(項目4~6):ガイドラインの中核をなす試験プログラム
ガイドラインの中核となるセクションであり、サンプルの準備から判定基準、具体的な評価手法までを厳密に規定している。
【項目4 供試体(テストサンプル)】公平な評価に向けたサンプル準備ルール
試験に使用する供試体の選定や品質要求を規定する。「JIS C 61215-1」の基準をそのまま適用し、試験体の準備方法や不合格時の再試行ルールを定めている(表7)。
表7 項目4(供試体:サンプル)における品質要求
【項目5 要求事項】クリアすべき3つの総合合否判定基準
総合的な合否判定基準を定めている(表8)。合格には、「発電性能」「設計要求」「安全要求」の3項目すべてを満たすことが必須条件となる。
表8 ペロブスカイトPVモジュールの製品タイプ・形状に関する用語分類
【項目6 試験】ペロブスカイト特有の性質に即した独自評価
従来のIECおよびJIS規格をベースにしつつ、ペロブスカイト特有の性質(MPPT注3追従、光安定化、曲げ特性等)に対応した具体的な試験プログラムを規定している(表9)。各試験項目の詳細についてはガイドラインを参照していただきたい。
表9 各種試験項目の概要(注:項目の詳細はガイドラインを参照)
IEC TS 62915:Photovoltaic (PV) modules - Type approval, design and safety qualification - Retesting、
地上設置の太陽電池(PV)モジュール-型式認証、設計および安全適格性確認-再試験。TS(Technical Specification)は標準化技術仕様書。
MPPT:Maximum Power Point Tracking、最大電力点追従。発電出力が最大となる電圧・電流の最適点を自動制御する技術。
STC:Standard Test Conditions、標準試験条件。パネル性能を測定・比較するための国際的な標準測定条件。
PID:Potential Induced Degradation、電圧誘発劣化。高電圧や湿度の影響で漏れ電流が生じ、出力が大幅に低下する現象。
出所 一般社団法人 日本電機工業会、2026(令和8)年3月25日制定「ペロブスカイト太陽電池の業界ガイドライン」をもとに編集部で作成
(1)6.1 試験フロー
「IEC TS 62915」の標準フレームワークをもとに、ペロブスカイト用に一部工程を調整した試験プロセスを適用する(同ガイドラインPDF4ページの「図1 試験フロー」を参照)。
(2)6.2 発電性能
出力性能と耐久性を多角的に評価する。出力測定では実動作に即したMPPT方式を容認し、温度依存性試験では正確な評価のため比較用モジュールを1台追加する。25~55℃での温度特性取得や光照射による出力安定化処理を規定するほか、形状に応じた曲げ試験を実施する。ホットスポットや各種環境・機械耐久試験は既存のJIS規格に準拠する。
(3)6.3 設計要求
構造や材料の品質・安全性を検証する。電気部品、絶縁体、接続構造、感電保護などに対して「IEC 61730-1」を適用して審査する。
(4)6.4 安全要求
運用時の火災・感電・破損等のリスク排除を評価する。メーカー指定の施工・接着方法を再現し、複数条件がある場合は最も負荷の厳しい環境を選択する。その上で「IEC 61730-2」に基づき、「環境ストレス」「一般検査」「感電危険」「耐火性」「機械的ストレス」の各観点から厳格に検証する。
注3:MPPT:Maximum Power Point Tracking、最大出力点追従



