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IMSの場合

IMSの場合

IMSでは、IMSサービス事業者への加入ユーザーに対して、電話番号に相当するPublic User Identity (IMPU)と、IMSネットワーク側での認証などに使用するためのPrivate User Identity(IMPI)がIMSユーザー識別子として割り当てられます。

【1】IMPUとは?

IMPUは、IMSネットワーク内でSIP信号メッセージを宛先のIMS端末までルーティングするための一意な識別子で、SIP URI (Uniform Resource Identifier、位置や場所によってリソースを特定する仕組み)、あるいは、Tel URIの形式で表現されます。

例えば、SIP URIは、sip:username@realmの形式で、

sip:usename-first.username-last@ims-operator.com

や、電話番号を使用して

sip:+81-12-3456-7890@ims-operator.com

のように表されます。またTel URLは、

tel:+81-12-3456-7890

のように表されます。Tel URIは、従来の電話端末からIMSネットワーク内のIMS端末に発呼する場合に必要となります。

IMPUは、一加入契約ユーザーに対して1つまたは複数個が割り当てられます。例えば、携帯端末で電話番号と電子メール・アドレスを使い分けるのと同様に、利用するIMSサービスの種別に応じて異なるIMPUを使い分けるようにできます。また、ビジネス利用とプライベート利用に分けて、異なるIMPUを使用することもできます。

【3】IMPIとは?

一方、IMPIは、加入契約の識別やアクセス時の認証のために使用する一意に識別可能な識別子で、NAI(Network Access Identifier、ネットワーク・アクセス識別子)の形式で表現されます。NAIの形式は、

username@ims-operator.com

のようになります。IMPIは、他のIMSユーザーなどに公開するものではなく、IMS電話の宛先などに使用することはありません。このように、IMPIは3G携帯通信ネットワークのIMSIに対応した役割を担っています。

3GPPリリース6のIMS標準によると、加入契約とIMPI、IMPUの対応関係は図1のようになっています。図1のように、1つの加入契約(加入ユーザー)に対して1つまたは複数のIMPIを割り当てることができ、各IMPIには1つまたは複数のIMPUを割り当てることができます。

図1 IMS加入契約、IMPI、IMPUの対応関係(3GPPリリース6)
図1 IMS加入契約、IMPI、IMPUの対応関係(3GPPリリース6)(クリックで拡大)

これらのIMPUは、どのIMSサービスのプロファイル(共通仕様)で使用するかについての対応も設定されます。また、同一の加入契約内では、1つのIMPUを複数のIMPIで共用することも可能となっています。

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