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気象予測データを基にエアコンを遠隔制御、URらが実証実験実施へ

2017/06/09
(金)
SmartGridニューズレター編集部

UR、環境エネルギー総合研究所、JWA、インターネットイニシアティブ、中部電力は、気象予測データを基に世帯のエアコンを遠隔制御する実証実験を実施すると発表した。

独立行政法人都市再生機構(UR)、環境エネルギー総合研究所、一般財団法人日本気象協会(JWA)、インターネットイニシアティブ、中部電力は2017年6月7日、気象予測データを基に世帯のエアコンを遠隔制御して効率良く運転させる実証実験を実施すると発表した。首都圏と中部地方にあるURの賃貸住宅に居住するおよそ100世帯を対象にエアコンを遠隔操作して、その効果を検証する。実証実験は2017年10月からおよそ1年間の予定で実施する。その後2019年3月まで実験の結果を分析、検証する。

この実験では、環境エネルギー総合研究所が開発したエアコン等適正運用技術を基に、JWAから気象データの提供を受けて、適正運用技術が示す運転パターンと気象データを分析して当日の運転パターンを算出する。URは実験対象世帯の要件整理を担当し、IIJは通信回線やデータを蓄積するクラウド基盤を提供する。中部電力は省エネを支援するノウハウを提供するほか、事業全体を統括する役目を担う。

一般にエアコンが最も電力を消費する場面は、設定温度と現実の気温に大きな差があるときだ。例えば真夏に長時間外出した後に帰宅すると、部屋の気温は極端に高くなっている。このようなときは一刻も早く部屋を冷まそうと、エアコンの電源を入れるものだが、エアコンは上がりきった気温を下げるためにフル回転して、多大な電力を消費する。外出する時間の長さによっては、無人の部屋でもエアコンの運転を続けた方が良い場合もある。

今回の実験では、JWAから気温変化などの気象予測データを受け取り、そのデータを基にしてエアコン等適正運用技術を利用してエアコンの1日の運転スケジュールを自動的に算出する。算出したスケジュールは実験対象世帯のエアコンのコンセントに取り付ける「IoTタップ」に送信する。IoTタップはSIMカードを内蔵しており、携帯電話回線でサーバーと通信する。また、IoTタップは学習リモコンの機能を備えているので、世帯が設置しているエアコンの赤外線リモコンの信号を学習し、受信したスケジュールに従ってエアコンを自動制御する。

図 気象データからエアコンの1日の運転スケジュールを組み立て、各世帯に送信する

図 気象データからエアコンの1日の運転スケジュールを組み立て、各世帯に送信する

出所 インターネットイニシアティブ

IoTタップはエアコンが利用しているコンセントに挿して利用する。IoTタップには同じ形のコンセントがあるので、そこにエアコンの電源プラグを挿す。コンセントと、エアコンの電源プラグで挟むように設置するわけだ。これでIoTタップはエアコンが消費する電力量を検知できるようになる。さらにIoTタップには温湿度センサーも付いているので、部屋の環境データも取得できる。

エアコンの消費電力のデータ、部屋の温湿度のデータ、そして世帯全体の電力消費量を示すスマートメーターのデータはインターネットイニシアティブのサーバーを経由して中部電力のサーバーに届く。中部電力は温湿度と電力消費量の関係を分析して、省エネを図る方法を導き出す。

今回実験を実施する各者は、エアコンに限らず住宅内のほかの機器もネットワークで接続して自動制御する「コネクテッド・ホーム」を実現し、ゼロエネルギー住宅を増やすことを目指すとしている。


■リンク
独立行政法人都市再生機構
環境エネルギー総合研究所
一般財団法人日本気象協会
インターネットイニシアティブ
中部電力

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