DeNAは、開発中のスマートフォン向けタクシー配車アプリケーションの配信を今夏に開始し、横浜市の一部地域で実用実験を実施すると発表した。
DeNAは2017年6月23日、開発中のスマートフォン向けタクシー配車アプリケーションの配信を今夏に開始し、横浜市の一部地域で実用実験を実施すると発表した。実用実験は横浜市と一般社団法人神奈川県タクシー協会の協力を得て実施する。実験期間はおよそ2カ月の予定で、アプリケーションはiOSのみ対応。
図 DeNAが開発中の配車アプリケーションの基本機能
出所 DeNA
基本的な機能はJapanTaxiが提供している「全国タクシー」と変わらない。スマートフォンに現れる地図で、利用者自身が現在位置を確認し、乗車場所を指定すると、その指示がインターネット経由でサーバーに届き、近隣を走っているタクシーに、その場に向かうよう指示が出る。アプリケーションが予想する到着時間を確認した上で配車を依頼することも可能になっている。
さらにDeNAは、利用者がスマートフォンのアプリケーションを開いたときに、地図上に周囲を走るタクシーのアイコンを表示する機能や、タクシーと利用者がお互いの現在地を確認する機能、依頼を受けて利用者のもとに向かっているタクシーと、利用者の間で提携メッセージをやり取りする機能などを加えるとしている。
そして、DeNAが開発する配車アプリケーションの最大の特徴は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用した「需要予測システム」だ。運行中のタクシー車両からさまざまなデータを収集した上、天候、イベント情報などタクシー需要に関連する各種データをまとめて解析し、タクシーの需要が発生しそうな場所と時間帯を算出する。その情報を各タクシーに配信することで、タクシーの稼働率を高めることを狙う。
実験の場は横浜市中区と西区、さらにJR横浜線の東神奈川駅~長津田駅の周辺エリア。実験では、神奈川県タクシー協会所属のタクシー事業者を対象に、乗務員専用端末をおよそ100台のタクシーに搭載する。DeNAは将来、乗客が必要とする時に効率よくタクシーを配車できる環境を作り、タクシー乗務員の労働力不足の問題解決に貢献したいとしている。
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DeNA
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