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パリ=オルリー空港で水素ステーションが営業開始、燃料電池車タクシーの補給ポイントに

2017/12/08
(金)
SmartGridニューズレター編集部

産業用ガス大手のAir LiquideとGroupe ADPは、パリ=オルリー空港の敷地内に水素ステーションを開設したと発表した。

産業用ガス大手のAir LiquideとGroupe ADPは2017年12月7日、パリ=オルリー空港の敷地内に水素ステーションを開設したと発表した。Groupe ADPはパリ市内の3空港(シャルル・ド・ゴール国際空港、パリ=オルリー空港、ル・ブルジェ空港)を運営している。

図 パリ=オルリー空港の敷地内に開設した水素ステーション

図 パリ=オルリー空港の敷地内に開設した水素ステーション

出所 Air Liquide

新設の水素ステーションは主に、パリ市内を走る燃料電池車タクシー「Hype」が水素補給ポイントとして使用する。Hypeは、2015年にベンチャー企業STEP(Société du Taxi Électrique Parisien)が運営を開始した世界初の燃料電池車タクシーサービス。現在では50台以上の燃料電池車をタクシーとして運用している。そして、Air LiquideはHypeの運営を支援している。現在、Hypeの燃料電池車タクシーは、パリ市街中心部のアルマ橋のそばにある水素ステーションで水素を補給しているが、このステーションもAir Liquideが運営している。

図 パリ市内を走るHypeの燃料電池車タクシー

図 パリ市内を走るHypeの燃料電池車タクシー

出所 Air Liquide

Hypeは2020年までに600台の燃料電池車タクシーを走らせることを目標としている。そしてAir Liquideは水素ステーションの新設で目標達成を支援するとしており、2018年にはヴェルサイユ宮殿近隣と、シャルル・ド・ゴール国際空港に水素ステーションを新設する予定を明らかにしている。

ちなみにAir Liquideは「Blue Hydrogen」という計画を立てている。これは、2020年までに少なくとも50%の水素をCO2を発生させない方法で生産するというものだ。具体的には再生可能エネルギーによる電力やバイオガスを活用した水素の生産や、天然ガスから水素を精製する過程で発生するCO2を回収する技術を利用することで目標を達成するとしている。


■リンク
Air Liquide
Groupe ADP
Hype

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