Volvo Trucksは2019年2月20日(中央ヨーロッパ時間)、同社初の電気トラック(EVトラック)「Volvo FL Electric」をスウェーデン内の顧客に納車したと発表した。納車先はゴミ再生業者のRenova、ドイツの物流業者DB Schenkerのスウェーデン内の拠点、そしてDB Schenkerのパートナー企業であるスウェーデンTGMの3社。Renovaには荷台をゴミ回収車仕様にした車両を届けた。
図 Volvo Trucksが今回納車したEVトラック「Volvo FL Electric」
出所 Volvo Trucks
今回納車した車両は、一部顧客との協力で本格的な生産開始前に生産したもの。本格的な生産開始前に、一部運転手にEVトラックを体験してもらうことを狙っているようだ。Volvo Trucksの社長であるRoger Alm氏は「運転手は駆動機構の反応の良さや、速く、なめらかな加速、そして騒音の少なさに感心しているようだ」と述べている。
Volvo Trucksは、Volvo FL Electricと、さらに大型のEVトラック「Volvo FE Electric」のヨーロッパ市場に向けた生産を台数限定で2019年後半から開始するとしている。Volvo FL Electricは比較的小型のトラックで、荷物を積載した状態の重量が最大16トン程度と想定して開発したもの。動力となるモーターは1つ搭載しており、最大出力は約174hp(130kW)。
Volvo FE Electricは、荷物を積載した状態の重量が最大27トン程度と想定して開発したもの。Volvo FL Electricに比べて過酷な用途を想定し、頑丈な設計にしてあるという。モーターは2つ搭載しており、最大出力は約496hp(370kW)。
電源となる蓄電池はどちらも最大300kWhまで搭載できる。この状態での航続距離はVolvo FL Electricが最長300kmで、Volvo FE Electricが最長200km。ただし、搭載する蓄電池の量は、顧客から用途や走行距離などを聞いて、必要な量を搭載して納車するという。
社長のAlm氏は、今後も電化した車両の開発を続ける意向を示している。
■リンク
Volvo Trucks