「製造業」「エネルギー産業」から「スマートシティ」まで加速するIoT革命 ≪前編≫
― IICパブリック・フォーラムに見る17のテストベッドと加速する新しい展開 ―2016年7月1日 0:00
IoT革命は、まさに現在進行中である。
去る2016年6月3日、第4次産業革命とも言われるインダストリアルIoT(IIoT)のグローバルスタンダードを目指すIIC(Industrial Internet Consortium)は、慶應義塾大学日吉キャンパス(横浜市)において、日本で初めてIICパブリック・フォーラムを開催した。このフォーラム開催の直前に、米国の「IIC」とドイツの「プラットフォームIndustrie 4.0」との連携が発表されたこともあって関心は高く、会場には400名が参加し盛況であった(写真1)。
フォーラムでは、IICにおいて構築されているテストベッドの開発状況や、今後の国際展開などのホットで多彩な活動が報告された。
本レポートの前編では、IIC代表(Executive Director)のリチャード・ソレイ氏(Dr. Richard Mark Soley、写真2)による、IICの最新活動を中心に紹介する。
写真1 400名が参加し盛況であったIICパブリック・フォーラムの会場風景
出所 編集部撮影
IICとは?IICの組織構成と7つのWG
IICは、2014年3月、AT&T、シスコシステムズ、GE、インテル、IBMの5社によって設立され、現在、30カ国以上から253社・団体が参加する、非営利かつオープンなメンバーシップの組織である。このIICにおけるIoT革命によって、製造業をはじめエネルギー産業、医療、スマートシティ、輸送など多くの産業分野で、世界経済規模となる大きな変化が実現されようとしている。
今回のIICパブリック・フォーラムは、表1のアジェンダに示すように、日本のインダストリアル・インターネットの取り組みから、セキュリティ、IICテストベッド、IICアーキテクチャ、IIoTによる社会的価値の創造などに至るまで、実に多彩な講演が行われた。
表2にIICのプロフィールを、図1にIICの組織構成と7つのWG(ワーキング・グループ)を示す。
表1 IICパブリック・フォーラムのアジェンダ(敬称略)
出所 http://www.iiconsortium.org/japan-forum/index.htm#agendaをもとに編集部で作成
注:上記URLからの各スライド資料をダウンロードできる。