数多くのローカル5G関連機器が出展
Interop会場では、ShowNetブースで実演された5G/ローカル5G関連の機器が多く展示されていた。主な製品を紹介しよう。
〔1〕精工技研のGNSS(GPS)光伝送ユニット
精工技研(千葉県松戸市)は、GNSS(GPS)注4光伝送ユニットを開発し、衛星からのGPS信号(電気信号)を光信号に変えて伝送する「GNSS(GPS)光伝送ユニット」(写真2)を出展した。
写真2 精工技研のGNSS(GPS)光伝送ユニット
出所 編集部撮影
同ユニットは、同軸ケーブルに比べて信号の減衰が小さくなるため、距離を延ばすこと(延伸)が可能となった。さらに、雷対策にも有効となり、接続されている機器の保護にも活用できるようになった。
〔2〕セイコーソリューションズのPTPグランドマスタークロック Time Server「TS-2924」
5Gの登場とともに、映像配信などのリアルタイムアプリケーションを安定的に運用するために、通信ネットワークにおける時刻同期の必要性が高まり、リアルタイムアプリの安定運用に不可欠なこの時刻同期を行うPTP注5が重要となっている。
セイコーソリューションズ(千葉県千葉市)は、PTPグランドマスタークロックをShowNetでも運用(TS-2910)していたが、同社ブースでは、2022年6月にリリースされた10Gbpsイーサネットに対応した、屋外対応のPTPグランドマスタークロック Time Server「TS-2924」(写真3)を出展した。
〔3〕スパイレント コミュニケーションズ/東陽テクニカの「Landslide 5GC」
ShowNetブースの#N11ローカル5Gおよび#N12ローカル5G/PTPラックでは、5G/LTE モバイルコアネットワークテスター「Landslide」(写真4)が5GC(5Gコアネットワーク)を模擬し、これに、5Gの機能であるUPF(ユーザーデータ処理機能)を接続して、あたかも5Gの端末がそのUPFにつながっているような状況を作り出した。
写真4 ShowNet#11ローカル5Gに格納されたスパイレント コミュニケーションズ/東陽テクニカの「Landslide 5GC」
ジュニパーネットワークスの「MX10003」(ユニバーサル ルーティング プラットフォーム)で、5Gの機能であるUPF(ユーザーデータ処理機能)を稼働させ(UPFのシールが貼られている機器)、そこに「Landslide 5GC」(5GCのシールが貼られている機器)を接続して、あたかも5Gの端末がそのUPFにつながっているような状況を作り出した。
出所 編集部撮影
このとき、5Gのデータトラフィックが、どれくらい効率的に処理できているかを、トラフィックジェネレータ「Spirent TestCenter」を使用して、上り100Gbps、下り100Gbpsの双方向通信を行った。
このような、上りと下りの双方向で、100Gbpsの通信をライブでデモしたのは、国内初とのことだ。
〔4〕NECのローカル5G一体型基地局「UNIVERGE RV1200」
NECは、Sub-6(4.7GHz帯)に対応した、スタンドアロン型(SA)基地局「UNIVERGE RV1200」を出展(写真5)。これは、小規模ネットワーク向けに、基地局の無線部(RU)、制御部(CU/DU)を1つの筐体内に収めたオールインワンモデル。
写真5 NECのローカル5G一体型基地局「UNIVERGE RV1200」の主な特徴と仕様
出所 編集部撮影
Sub-6一体型基地局UNIVERGE RV1200は、現在、日本で使える4.6〜4.9GHz対応の一体型基地局として初の製品。
▼ 注4
GPS:Global Positioning System、衛星測位システム。人工衛星から発信された電波を使い、自分の位置情報を調べることができる測位システム。
GNSS:Global Navigation Satellite System、GPSの衛星に加えて他の衛星(例:みちびき等の準天頂衛星システム)を使い、より詳しい位置情報を調べることができる測位システム。
▼ 注5
PTP:Precision Time Protocol の略。ネットワーク内のデバイスの時刻を高精度で同期するためのプロトコル。