工場やビルのエネルギー使用状況を可視化
電気設備資材の総合商社であるヤマト電機株式会社(以下、ヤマト電機)は、工場やビル向けのエネルギーマネジメントシステム「e-Reducer I(イーリデューサーワン)」を発売した(図1)。同システムは、工場やビル内にある電力設備のエネルギーの使用状況を可視化する。2025年8月5日に発表した。
図1 ヤマト電機株式会社のエネルギーマネジメントシステム「e-Reducer I」の概要
出所 ヤマト電機株式会社 プレスリリース 2025年8月5日、「"エネルギーを見える化" エネルギーマネジメントシステム 「e-Reducer I(イーリデューサーワン)」 発売開始」
エネマネに加えてデータ分析や運用改善を支援
e-Reducer Iは、受電電力を常時監視する「電力デマンド監視機能」により、目標値を使用電力が超えると予測した場合、警報メールを通知する。これにより、電力基本料金を抑制するという。加えて、分電盤や各設備に取り付けたセンサーから消費電力量を測定し、時間別、日別、月別に使用電力量をグラフや数値で表示する機能を提供する。
同システムに付随してサポートサービスも提供する。具体的には、専門知識を持つ脱炭素アドバイザーがデータ分析や運用改善を支援するほか、可視化されたエネルギー使用量データを基にCO2排出量の算出も支援する。さらに、省エネルギー化に向けた高効率機器やLED照明などの設備機材を特定のメーカーに縛れることなく提案する。
製品の価格はオープン価格。
ヤマト電機は、2022年にエネルギーマネジメント事業を立ち上げ、ソリューションの開発を開始した。2024年には自社ビルへ施設や工場のエネルギー使用量を監視・制御するEMS(エネルギーマネジメントシステム)を試験的に導入し、電力消費の可視化や省エネ運用の実証を実施し、e-Reducer Iの開発につなげた。
今後、同社は、高効率機器やLED照明などの省エネ商材の導入支援以外にも、老朽化設備の更新や省エネルギー化に向けた設備改修までをワンストップで支援し、企業のカーボンニュートラルに向けた活動を支援する。
ヤマト電機によれば、サステナビリティ情報の開示義務化が進む中で、企業規模を問わず脱炭素経営への対応が課題となっている。一方で、多くの企業では省エネに関するノウハウや専門人材が不足しており、具体的な対策が進まないという現状がある。
参考サイト
ヤマト電機株式会社 プレスリリース 2025年8月5日、「"エネルギーを見える化" エネルギーマネジメントシステム 「e-Reducer I(イーリデューサーワン)」 発売開始」