南アフリカVodacom社は、アフリカでは初となるNB-IoTの基地局の稼働を始めたと発表した。
南アフリカVodacom社は2017年5月11日(現地時間)、アフリカでは初となるNB-IoT(NarrowBand IoT)の基地局の稼働を始めたと発表した。中国Huawei Technologies社の協力を得て基地局を稼働させたが、Vodacom社によれば既存の4G基地局のソフトウェアアップデートでNB-IoTの通信機能を付加することに成功したという。この基地局はVodacom社の本社があるヨハネスブルグ市のデータセンターの屋根に設置してあるという。
Vodacom社のNB-IoT技術は、携帯電話と同じく900MHz帯の電波を使用し、3rd Generation Partnership Project(3GPP)が2017年2月に追加した最新仕様も取り込んでいるという。Vodacom社は、2016年11月にケープタウンであったイベント「AfricaCom」で、NB-IoTのサービスを主要大都市圏で開始すると予告していた。
Vodacom社のCTO(Chief Technology Officer)であるAndries Delport氏は、「当社のNB-IoTネットワークは既存の基地局ネットワークを活用して展開できるだろう。そして、ほとんどの基地局はソフトウェアアップデートだけでNB-IoTに対応できると見ている。つまり、極めて短期間で広範囲をカバーするネットワークを構成できるということだ」と、今後の見通しについて語った。
図 Vodacom社のCTOであるAndries Delport氏
出所 南アフリカVodacom社
Delport氏の発言を受けてVodacom社は、NB-IoTの商用サービス開始に向けた準備は現在進行中で、間もなく商用サービス提供を始められるだろうと大まかな予定を示した。
また、今回設置した基地局は、Vodacom本社キャンパスで、水道メーターの通信に利用するという。使用水量を正確に計測できるだけでなく、使用水量のリアルタイム計測、水漏れの検知にも利用できるという。
日本の大手携帯電話事業者も、2017年中に携帯電話の電波を利用した「セルラー系LPWA」のサービス開始を目指して、開発と実証実験を続けているが、はっきりとサービス提供開始時期を明言した事業者はまだない。日本でも一刻も早くセルラー系LPWAのサービスを受けられるようになることを期待したい。
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南アフリカVodacom社
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