ラトックシステムは2017年5月25日、液体や粘性のある物質の温度管理に向けた高精度温度センサー「ワイヤレス品温モニターセット(Windows対応)」を6月中旬に発売すると発表した。4月6日に同社が発表した酒造業界向けもろみ温度管理システム「酒造品温モニタリングシステム」で使用している無線通信機能付き温度センサーと、USBでパソコンに接続して使用する受信機をセットにして販売する(関連記事)。1セットの価格は8万9800円(税別)。
図 「ワイヤレス品温モニターセット(Windows対応)」。温度センサーにUSB接続の受信機が付く
出所 ラトックシステム
酒造品温モニタリングシステムの発表後、酒造に限らず、遠隔地から厳密な温度管理が必要なものがあるので、センサーを使いたいという声を複数の企業から受け、センサーと受信機を発売することになったという。
使い方はもろみ温度管理の場合と変わらない。温度を管理したい液体などにセンサーの先の棒状の部分を差し込み、電源を入れる。計測値は無線電波で発信する。受信機をWindowsパソコンのUSB端子に接続して、ラトックシステムが無料でダウンロード提供するプログラム「品温モニター」を起動すれば、温度変化の推移をグラフで確認できる。計測値はCSV形式で取得することも可能。
センサーと受信機の間はWi-SUNで通信する。使用する周波数帯は920MHz帯であり、通信に免許は要らない。電波が到達する距離は見通しでおよそ250m。1つの受信機に15台まで温度センサーを接続できる。温度センサーは単3乾電池3本で、およそ3カ月動作する。センサー部は測定精度が高い白金測温抵抗体センサーを採用した。計測できる範囲は-40℃~170℃で、測定精度は±0.3℃。
顧客の要望があれば、機密保持契約を結んだ上でセンサーが発行するコマンドの仕様書を提供する。コマンドに合わせて独自の温度モニタリングプログラムを開発したり、既存のプログラムに温度モニタリング機能を付加できる。
ラトックシステムでは現在、センサーが発信するWi-SUNの電波を受信するゲートウェイを開発する企業との協業を模索している。今後、このセンサーの電波を受信できるWi-SUNゲートウェイが市場に出る可能性もある。
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ラトックシステム