スウェーデンScaniaは2018年12月10日(中央ヨーロッパ時間)、現地のゴミ処理業者であるRenovaや、燃料電池を開発製造しているPowerCell Swedenと共同で、燃料電池を搭載したゴミ収集車を開発していると発表した。ScaniaはドイツVolkswagen Group傘下の企業で、トラックやバス、工業用ディーゼルエンジンなどを製造販売している。
図 Renovaが現在使用しているScania製のゴミ収集車
出所 PowerCell Sweden
開発しているゴミ収集車は、車両の電源だけでなく、車両が搭載するゴミ格納設備の電源にも燃料電池を使用するという。今回の開発計画には、スウェーデンエネルギー庁(Swedish Energy Agency)が資金を提供しており、2019年末、あるいは2020年の年始に車両の運用が始まる予定だとしている。
ゴミ収集車は早朝に稼働するため、騒音を発生させない車両が望ましい。周辺環境を考えると排ガスの少ない方が良い。Renovaはかつて、電動のゴミ収集車を試したが、今回初めて、燃料電池を搭載したゴミ収集車の開発に乗り出した。
Renovaで技術開発を統括しているHans Zackrisson氏は「燃料電池はゴミ収集車のような商用の大型車両には魅力的な技術だ。排ガスを発生させないなどの電気自動車と同様の利点を持ちながら、荷物の積載量、航続距離、稼働時間はガソリン車と同様の性能を期待できる」と、ゴミ収集車に燃料電池を採用した理由を語っている。
Scaniaは以前、ノルウェーの食品卸売業者であるAskoと共同で燃料電池トラックを開発し、Askoに4台の車両を納車している。Askoは再生可能エネルギーを活用した水素ステーションを自身で建設し、燃料電池トラックを運用しているという。