[特集]

3.11震災時にも発電し続けた「仙台マイクログリッド」

─ 東北復興へ期待高まる日本初の品質別電力供給システム ─
2014/06/01
(日)

2.仙台マイクログリッド(東北福祉大)の位置と立地環境

〔1〕東北福祉大学の国見ケ丘キャンパス

「仙台マイクログリッド」は、海岸線から約15㎞、JR仙台駅から内陸側に5km離れた、標高約95mに位置する東北福祉大学国見キャンパス(仙台市青葉区国見ヶ丘6丁目149-1)に設置されている。地震によって基礎・建物部分に軽微な亀裂やずれが生じた。また、一般家庭の低圧ガスも停止された。しかし、エネルギーセンター内の各電源設備は異常なく運転を続けた。この震災時には、同キャンパスへの避難住民は1,200人に達したという。 図1に、東北福祉大学国見ケ丘キャンパスの全景と各建物の配置図を示す。また、写真1は、東北福祉大学のウェルコム21建屋の屋上階から見る太陽光パネルなどが設置されたエネルギーセンター(手前。図1の⑪の部分)である。ウェルコム21とは、大学院教室をはじめ大学院事務室、教務課分室、リハビリテーション学科教室、実習室等のある建物であり、図1の①の建物である。 また、図2に、実証研究終了後に新設された病院などを含む現在の仙台マイクログリッドの運用エリア(市道を挟んだ仙台市エリアが給電対象外に変更されている)を示す。


◆図1出所
東北福祉大学サイト(http://www.tfu.ac.jp/aboutus/campus_list.html

 

◆図2出所
「品質別電力供給システム(仙台マイクログリッド)の3.11 災害時の挙動について」、2014年1月10日、NTTファシリティーズ

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