GHG排出量可視化プラットフォームをサプライヤーに無償提供
自動制御機器の総合メーカーであるSMC株式会社(以下、SMC)は、温室効果ガス(GHG)の排出量を可視化するためのプラットフォームを、2025年9月から国内のサプライヤー約600社に無償で提供する。サプライヤーの負担を軽減し、より正確で信頼性の高いScope3注1の算定につなげるのが目的。プラットフォームは、株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)が開発した。2025年9月5日に発表した。
共通プラットフォームで効率化と実態に近い把握を可能に
SMCはこれまで、Scope3の算定に業界平均値などの二次データを用いてきた。しかし、より正確な排出量を把握し、サプライヤー各社の削減努力を適切に評価・反映するためには、サプライヤーから直接排出量の実測値(一次データ)を収集する必要があった。一方で、サプライヤー側にはデータ算出や報告に関する負担が大きいという課題があった。
今回、SMCが国内サプライヤー約600社にGHG排出量可視化プラットフォームを無償提供することで、これらの課題解決を図る。共通のプラットフォームを用意することで、サプライヤーはGHG排出量の算定・管理が容易になり、負担を軽減できるとする。SMCにとっても、サプライヤーとのデータ連携を標準化・効率化でき、一次データの収集が円滑に進むと見込む。
GHG排出量可視化プラットフォームには、「C-Turtle(シータートル)」(NTTデータ製)を採用した。同プラットフォームは、サプライヤーの活動量と排出原単位を用いて排出量を計算する「総排出量配分方式」に対応している。これにより、個々のサプライヤーの削減努力を反映した、より実態に近いGHG排出量を把握することが可能となるという。
今後、SMCは、この取り組みを海外のグループ会社およびサプライヤーにも拡大していく計画だ。
注1:Scope3:事業者の活動に関連する他社の温室効果ガス排出量。サプライチェーンの上流(原材料調達、製造、輸送など)から下流(製品の使用、廃棄など)までのバリューチェーン全体で発生する間接的な排出を指す。