ペロブスカイトに政府が重点投資、成長戦略会議で決定
2026年3月23日 (月曜) 8:00
次世代型太陽電池を重点投資対象の1つに決定
政府は2026年3月10日、日本成長戦略会議を開催し、ペロブスカイト太陽電池を中心とする次世代型太陽電池を重点投資対象の1つに決定した。これまでの技術開発・社会実装や需要創出に向けた支援に加え、海外展開の支援、国際標準化の策定にも乗り出す。
図1 政府によるペロブスカイト太陽電池関連施策の方向性
出所 内閣官房 日本成長戦略会議 2026年3月10日、「先行して検討を進めている主要な製品・技術等の官民投資ロードマップ素案」
米国やアジアでの実証を支援へ
日本成長戦略会議は、内閣総理大臣を議長に、国家予算やリソースの配分など経済成長の方針を策定する会議体で、戦略分野としてAI・半導体や航空・宇宙などの17分野を設定している。
今回、17分野の中から重点的に投資する製品・技術を決定し、その1つに次世代型太陽電池を挙げた。政府は、選定理由にペロブスカイト太陽電池の主原料であるヨウ素の世界シェア約3割を日本が占めており、エネルギーの自律性と経済安全保障を確保できることを挙げる。
政府は、ペロブスカイト太陽電池について、2030年より以前にGW級の量産体制を構築し、2040年までに約20GWを導入するという目標を掲げ、モジュールメーカーの量産化に向けた活動を支援している。
2021年度に「グリーンイノベーション(GI)基金」による研究開発支援を開始し、「GXサプライチェーン構築支援事業」では設備投資を支援してきた。2026年度からの3年間は、GI基金を通じて開発された製品を対象に、固定資産税を軽減する特例措置を実施する。
技術開発・量産化の支援と合わせて、市場創出を急ぐ。2025年度に需要家向けの導入支援を開始しており、2026年度からは耐荷重性調査といった導入計画の作成を建物単位で補助する。2027年度には、「省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)」の定期報告書で、屋根面積や積載荷重などの報告を求める。ペロブスカイト太陽電池の量産開始後、導入を進めやすくするのが狙いだ。
さらに、公共施設や空港や道路などのインフラ空間にいち早く導入を進め、需要喚起につなげる意向だ。自治体に対しては、国庫補助を活用して公共施設などに導入する事業を対象に、新たな地方財政措置を実施する予定である。
次世代型太陽電池向けのFIT・FIP制度を検討する。ペロブスカイト太陽電池の発電コストが電気料金の水準を下回ったタイミングでの開始を想定している。
海外展開の支援にも乗り出す。GI基金などを財源に、米国やアジアでの実証を支援する。複数の太陽電池を積み重ね、発電効率を高めるタンデム型の太陽電池については、グローバルでのサプライチェーン構築を支援し、量産開始時には海外での試験販売の展開も視野に入れる。他国と連携し、国際標準の策定にも関与する構えだ。
このほかに、官民金融機関と連携したリスクマネー供給や、ファイナンスや保険業界への情報提供も進める。
今回の決定に関わる具体的な投資額や時期については、2026年夏を予定している「官民投資ロードマップ」の策定までに発表するとしている。
参考サイト
内閣官房 日本成長戦略会議 2026年3月10日、「先行して検討を進めている主要な製品・技術等の官民投資ロードマップ素案」
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