非化石電源の利用を1時間単位で照合、みずほら5社が成功

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年4月22日 (水曜) 10:40

アワリーマッチングの実証に成功

 株式会社みずほ銀行(以下、みずほ銀行)、みずほ証券株式会社(以下、みずほ証券)、みずほリース株式会社(以下、みずほリース)、電源開発株式会社(以下、Jパワー)、株式会社Scalar(以下、Scalar)の5社は、企業が使用した電力と、非化石電源から供給された電力の情報を1時間単位で照合する「アワリーマッチング」注1の実証に成功した。現在進められている温室効果ガス(GHG)排出量算定の世界標準である「GHGプロトコル注2」の改定を見据えたもので、アワリーマッチングを24時間365日体制で実施するコーポレートPPA(電力販売契約)注3サービスの開発を目指す(図1)。2026年4月17日に発表した。

図1 アワリーマッチングの導入イメージ

出所 株式会社みずほ銀行 ニュースリリース 2026年4月17日、「『24/7 対応型コーポレートPPA』の提供に向けた実証に成功」

24/7CFE対応のコーポレートPPAサービスを共同開発へ

 実証では、需要家企業の事業所から消費電力データを1時間単位で取得し、これをみずほリースの子会社であるエムエル・パワーとJパワーが提供する太陽光や風力などの非化石電源から発電された電力供給情報と照合した。

 JパワーとScalarが開発する「環境価値プラットフォーム」注4を活用し、発電データ・消費電力データの改ざんを検知するとともに、第三者による検証が可能な記録・証明を提供した。

 これにより、発電と消費の時間単位での一致、複数電源種のマッチング、環境価値の信頼性とトレーサビリティの確保が可能であることを確認した。

 今後、5社は実証の知見を活用し、24/7CFE(Carbon-Free-Energy)注5に対応するコーポレートPPAなどのサービスの開発を共同で進める(図2)。

図2 5社が開発する24/7対応型コーポレートPPAのスキーム

出所 株式会社みずほ銀行 ニュースリリース 2026年4月17日、「『24/7 対応型コーポレートPPA』の提供に向けた実証に成功」

 サービス開発における各社の役割は、みずほ銀行とみずほ証券が、サービス開発・ファイナンススキームを検討する。エムエル・パワーとJパワーが、再エネの供給と発電データを提供し、さらに、Jパワーは、環境価値プラットフォームの開発や需給調整などの技術検証も行う。Scalarが、データの整合性と真正性を証明するソフトウェア技術を開発・提供する。

 現在進められているGHGプロトコルの改定案では、非化石電源を用いた排出量削減効果を主張する際、電力の発電と消費を1時間単位で一致させる手法の導入が提案されている。このため、グローバルに事業を展開する企業やそのサプライチェーンにおいて、リアルタイムかつ信頼性の高い再生可能エネルギー利用証明が経営上の重要課題となっている。


注1 アワリーマッチング:電力の発電と消費において、1時間単位での一致を求める需給照合の手法。
注2 GHGプロトコル:企業の温室効果ガス(GHG)排出量算定・報告における世界標準基準。1998年に米国のシンクタンクWRI(世界資源研究所)、国際的な経営者団体WBSCD(持続可能な開発のための経済人会議)が中心となり設立した。
注3 コーポレートPPA(Power Purchase Agreement):企業が発電事業者から再生可能エネルギー電力を長期に購入するための契約。
注4 環境価値プラットフォーム:再生可能エネルギーに時間的価値を付与し、データの改ざん検知や第三者検証可能な記録・証明を行うシステム。
注5 24/7CFE(Carbon-Free-Energy):企業が使用する電力を24時間365日、常にカーボンフリー電力で賄うこと。

参考サイト

株式会社みずほ銀行 ニュースリリース 2026年4月17日、「『24/7 対応型コーポレートPPA』の提供に向けた実証に成功」

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