オムロンは2017年9月12日、人の数を高い精度で検出する人感センサーを日建設計と共同で開発したと発表した。開発したセンサーは天井に取り付けるもので、その直下にいる人間の数を検出する。
物体が放射する熱を受けて、そのエネルギー量に応じて電力を発生させるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサーを内蔵しており、人が放つ熱を受けて、人間の存在を検知する。センサー1基当たり3.6m×3.6mの範囲に対応でき、その範囲を16分割したそれぞれのエリアごとに人間の存在を検知することが可能。また、256の画素で構成する温度データと、人間の特徴をとらえるアルゴリズムにより、熱源が人間であるか、そうでないかを高い精度で判断するという。
図 新開発のセンサー(左)は、3.6m×3.6mの範囲を16分割したそれぞれのエリアに人間がいるかどうかを検知する(右)
出所 オムロン
このセンサーを利用すると、人数に応じて照明や換気、空調などの機器を制御することができる。人数に合わせて、最小限の機器を動かすように制御することで、快適な環境を維持しながら消費エネルギー量を節約できる。
そして、この機能に注目した東京電機大学が東京千住キャンパス(東京都足立区千住旭町)の5号館に導入することを決めた。5号館は2017年4月に開設したばかりの新校舎。この校舎の設計を担当したのは、今回オムロンと共同でセンサーを開発した日建設計だ。東京電機大学は今回、このセンサーをおよそ1000台導入した。
東京電機大学は校舎全体で消費しているエネルギー量の把握や、個々の設備機器の状態監視など、積極的な省エネ活動に取り組んでいる。今回導入したセンサーで人間の存在に応じて機器を制御することで、さらに消費エネルギー量を削減することを目指す。
オムロンは今回開発したセンサーに限らず、環境センサーなども合わせて、「スマートビルディング」建設を企画する業者に提案する構えを見せている。
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オムロン