[ニュース]

電源開発、北海道の水力発電所を改築して出力を1.8MW引き上げ

2018/04/05
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

電源開発(Jパワー)は、北海道三笠市の水力発電所「桂沢発電所」を廃止し、「新桂沢発電所」を新設すると発表した。

電源開発(Jパワー)は2018年4月2日、北海道三笠市の水力発電所「桂沢発電所」を廃止し、「新桂沢発電所」を新設すると発表した。2019年4月に着工し、2022年6月の運転開始を目指す。

図 桂沢発電所と桂沢ダム

図 桂沢発電所と桂沢ダム

出所 国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部

桂沢発電所の水源となっているのは桂沢湖。今回の工事は桂沢湖をせき止めている「桂沢ダム」を「かさ上げ」することがきっかけだ。かさ上げとは、ダムのコンクリート壁の高さを上げること。桂沢ダムには発電のほかに治水機能があるが、近年は桂沢ダムの下流で水害が発生し、治水機能が低下していた。今回のかさ上げ工事は、治水機能向上が主な目的だ。

今回はコンクリート壁の高さを11.9m上げる。その結果、桂沢湖の貯水量が増大する。これに合わせて桂沢発電所を廃止し、新桂沢発電所を新設する。廃止する桂沢発電所の最大出力は15MW(1万5000kW)。新桂沢発電所では、発電設備を最新のものに更新して発電効率が上がるため、最大出力は16.8MW(1万6800kW)となる。

図 桂沢ダムをかさ上げして、桂沢湖の貯水量を引き上げる

図 桂沢ダムをかさ上げして、桂沢湖の貯水量を引き上げる

出所 国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部

そして、桂沢ダムのかさ上げにより、桂沢湖に注水している水力発電所「熊追発電所」が水没する。そこで、熊追発電所もかさ上げして設備を更新する。熊追発電所の最大出力は4.9MW(4900kW)だが、設備更新で5.1MW(5100kW)となる。この工事は2018年4月に着工し、2022年4月運転開始の予定だ。電源開発は今後も水力発電所の建設と設備更新に積極的に取り組み、CO2を排出しない電源を確保していく。


■リンク
電源開発

TOPに戻る

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...