ソフトウェア企業としての AT&T

ソフトウェア企業としての AT&T

 AT&Tの Senior Executive VPであるジョン・ドノヴァン(John Donovan)氏(写真2)によるキーノート・スピーチは、ONS 2015を象徴するセッションとなった。

写真2 ジョン・ドノヴァン氏(AT&T Senior Executive VP)

 同氏は冒頭、「AT&T は以前とまったく違う、つまりソフトウェア(で動く)企業に変わりつつある」と強調した。それもオープンソース・ソフトウェアによって、である。実に彼のセッションはほぼ丸ごとこの変革についての宣言、あるいは決意表明だったといってよい。

 同氏は「2008 年にAT&Tに来た時は随分今とは違っていた」として、メジャーなサービスを何年もかけて構築した時代から、何カ月あるいは何週間で実現するようになったことを示した。これを実現するために起きたことは、ハードウェア・ベースの専用アプライアンスボックスによるシステムから、ソフトウェア・ベースつまりNFVによる自由度の高い環境への移行だった。

 その目的として同氏が挙げた要素には「アジャイルな開発」「容易なサービス規模の拡大(スケール)」「低コスト」といった、まさにネット系企業が掲げるようなものが散りばめられていた(写真3参照)。

写真3 ソフトウェア・ベースの環境へ移行する目的

 ドノヴァン氏はこれを実現するためのキーとして、SDNとNFVを挙げた。すでに彼らはその移行の最中にあり、実際にクラウドデータセンターを使っている。そこでは、ソフトウェアによって制御を行う(Software Definedな)アーキテクチャと、オープンなソフトウェアを使っている。大きなゴールは2020年までに、AT&Tのネットワークの75%をソフトウェアコントロールのものにする、というものである。

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る
インプレスSmartGridニューズレター

定期購読は終了いたしました