森林由来J-クレジットの創出・販売を支援、日立システムズが開始

初期費用不要で地方金融機関と販売支援

インプレスSmartGridニューズレター編集部

9月2日 0:00

J-クレジットの調査から販売まで一貫支援

 株式会社日立システムズ(以下、日立システムズ)は、森林由来のJ-クレジットの調査から、創出、販売までを支援するサービスを開始した。初期費用が不要で、地域の金融機関と連携して販売を支援する。2025年9月1日に発表した。

審査・検証、コンサルティングの初期費用が不要

 日立システムズは、ドローンとAI解析技術を活用する「森林調査DXサービス」を提供している。同サービスの知見をもとに、今回開始したサービスでは、航空レーザー測量データやドローンを活用してクレジット創出量を算出する。その後の、J-クレジットの申請や審査対応、モニタリング報告書の作成、J-クレジットの創出・販売までを代行する。

 販売については、全国の地方金融機関とのネットワークを活用し、地方金融機関と共同で地域企業へのJ-クレジット売却や移転処理を支援する。

 創出されたJ-クレジットの販売利益を、林業事業者と日立システムズで分配する「収益分配方式」を採用しており、この場合、審査・検証、コンサルティングといった初期費用が不要になる。

 日立システムズは、愛媛県の久万造林株式会社との共同プロジェクトで、県の航空レーザー測量データなどを活用した分析や報告書作成を支援し、2025年1月に同県で初となる方法論「FO-001」注1による森林由来J-クレジットを創出した。J-クレジットは、株式会社伊予銀行を通じて、四国ガス株式会社へ販売した。この実績をもとに、今回の全国向けサービスを展開する。

 今後、J-クレジットの創出・販売支援にとどまらず、IT技術を基盤とした森林状態の調査や林業現場のデジタル化を進める。

 日立システムズによれば、自治体や森林組合、森林を所有する企業がJ-クレジット制度を活用するには、プロジェクトの登録申請、専門的なモニタリング報告、認証取得といった複雑な手続きに加え、販売先の確保も課題となっていた。特に、申請やコンサルティングにかかる初期費用が、継続的な森林保全に取り組む上での障壁となっていた。


注1:FO-001:J-クレジット制度で定められた方法論の一つで、「森林経営活動」によるCO2吸収量を算定するためのルール。

参考サイト

株式会社日立システムズ プレスリリース 2025年9月1日、「企業のカーボンオフセットなどの取り組みに活用できる 森林由来のJ-クレジット創出・販売の支援を開始」

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