AIOWNが目指す「フルスタック×ソブリン」:通信インフラから社会インフラ企業へ

AIOWNが目指す「フルスタック×ソブリン」:通信インフラから社会インフラ企業へ

 AIOWNの事業戦略の大きな特徴は「フルスタック×ソブリン」だ。データセンターなどのインフラから、国産LLM「tsuzumi」、業界別AIソリューションまで、すべての層を国内完結で提供できる体制は、データを国外に出せない政府機関や医療・金融機関など「グローバルクラウドを選べない顧客層」にとって第1の選択肢となり得る。
 NTTは、これまで通信インフラによって社会を広く下支えしてきたが、AIOWNは、その方向をAIの領域へと大きく転換させるものだ。今後、AIが社会にますます浸透することで、NTTは通信会社から社会インフラの事業会社へとその企業価値を高めていくことになるだろう。

NTTグループの決意表明と決算発表

〔1〕AIOWNが今後のNTTグループの事業展開の中核に

 AIOWNの発表に続いて、2026年5月8日に行われた決算発表では、2025年度の連結決算(表2。対前年・増収増益)と2026年度 業績予想(表3)が発表された。同時に、AIOWNが今後のNTTグループの事業展開の中核に据えられることが正式に示された。
 さらに、今回の決算発表では、企業の稼ぐ力を示す指標であるEBITDA注8で4兆円を目指す目標年度が、2027年度から2030年度ヘと先送りされた。既存通信事業の収益落ち込みが主な理由としているが、発表された各種資料からは、AIOWNを軸とした事業再編の構想がうかがえる。

表2 NTTグループの2025年度 連結決算の状況

表3 NTTグループの2026年度 業績予想の概要

出所 NTT 2025年度決算「2026年度業績予想等について」、2026年 5月8日


注8:EBITDA: Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization、利払い・税引き・減価償却前利益。イービット・ディーエー。

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