参考リンク
〔2〕2030年度にEBITDA「4兆円達成」を目指す
EBITDA目標達成の方策の1つとして「コネクティビティ(通信)分野のAIOWNへの転換」という方針が明示された。従来の固定電話・光回線など既存通信インフラ事業について、利益を安定させキャッシュ創出力を保持しつつ、その一方でAIOWNへの戦略的な先行投資を継続する。これによって、両者を組み合わせて2030年度のEBITDA「4兆円達成」を目指す構えだ(図7)。
さらに、中期目標として「AIネイティブな次世代インフラへの転換」が掲げられた。GPU、ネットワーク、電力、エッジを統合的に提供するAIネイティブインフラとして、まず当面は国内でのIOWN APNの全国展開と光電融合デバイスのエコシステム構築を進め、本格的なビジネス展開へと段階的に育てていく計画となっている。
つまり、通信事業者からAIインフラ企業へ、さらにAIOWNを軸として発展的に変貌を遂げる。そうしたNTTグループの新たな決意が今回の決算発表から見て取れる。資料内に盛り込まれた「New value creation & Sustainability 2030 powered by AIOWN(AIOWNが推進する新たな価値創造と持続可能性2030)」のスローガンは、投資家を含む社内外に向けた新たな宣言といえる。
図7 中期的な利益成長に向けて(中期財務目標の見直し)
〔3〕AI技術の進展によって対象となる2領域の展開
最後に、同決算発表において、NTTグループから示された、AIの進展とビジネス機会の拡大のロードマップを紹介しておこう。
図8に示すように、今後、AI技術(AIOWN等)の進展によって、AIによる業務代替・高度化の対象は、大きく2つの方向に向かって拡大し展開していく。
(1)ホワイトカラー領域:
認知能力が向上(人間に近い判断力や創造力が向上)する。これによって、AIエージェントのように、人間が指示を与えなくても、業務の目標を理解したAIが、自ら計画を立案し、いろいろなツール(ソフトウェア)を自動的に使い分けながら作業を行えるようになる。
(2)エッセンシャルワーク領域:
物理空間への実装が進み、フィジカルAIが活躍するようになる。フィジカルAIとは、具体的には、例えばロボットAIのように、カメラや各種センサーを装備し、アクチュエーター(ロボットアーム等)を使って、周囲の環境に応じて自律的な行動を起こすようになることだ。
これらの新しい戦略に伴って、従来はITの活用が限定的だった領域においても、AIネイティブなインフラ「AIOWN」を推進することで、新たなビジネス機会が拡大していくことが期待されている。
図8 今後のAIの進展とビジネス機会の拡大のロードマップ
エッセンシャルワーク:災害等の発生時でも、通常の生活や社会インフラを維持するために「不可欠」(Essential)な仕事のこと(例:医療や福祉、物流などの仕事)。
出所 株式会社NTTデータグループ「2025年度決算説明資料」、2026年5月8日
参考リンク
同上 関係資料「NTTのAIネイティブインフラ」(PDF形式)
NTT株式会社 ニュースリリース 2026年5月 8日、「2025年度 決算について」
NTT東日本株式会社 NTT西日本株式会社 ニュースリリース 2023年3月2日、「APN IOWN1.0の提供開始について」
SmartGridフォーラム2024年12月27日、「IOWN」がITU-T国際標準化に向けて合意へ!



