産総研におけるペロブスカイト太陽電池の位置づけと多面的な役割

産総研におけるペロブスカイト太陽電池の位置づけと多面的な役割

〔1〕第6期中長期計画:標準化活動の一層の強化

 経済産業省が所管する日本最大級の公的研究機関である国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研。表1参照)は、第6期中長期計画(2025~2031年度)において国際標準化の主導強化を掲げている注4。同機関では、今後の飛躍的発展が期待される分野や日本の優位性確保・強化に寄与する分野を中心に、研究の初期段階から標準化戦略を策定し、研究成果の効率的・効果的な社会実装を目指している(図2)。

表1 産総研のプロフィール(敬称略。2026年7月現在)

出所 産総研のホームページをもとに編集部作成

図2 産総研の「標準」事業戦略

〔2〕産総研が担う3つの役割

 産総研は、研究開発、標準化おび認証基盤の整備を通じて、ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた取り組みを進めている。
 (1)最先端技術の研究開発(GI基金事業との連動)
 国のグリーンイノベーション(Green Innovation。以下、GI)基金事業注5に参画し、基盤技術開発として、高効率・高耐久性を両立する要素技術および分析・評価技術の開発を進めるとともに、開発成果をもとに事業化を目指す企業に技術的支援を行う。また、今後の国際的な社会実装に向けて、標準化を支える科学的エビデンス(裏付け)を蓄積する。
 (2)国際標準化の牽引(IECへの提案)
 現在策定が進むペロブスカイト/有機被膜等の次世代型太陽電池の計測法の規格「IEC TS 60904-1-4 ED1」(後述)をプロジェクトリーダーとして推進。適切で科学的根拠に基づく評価法の構築を目指す。
 (3)国内認証基盤の整備(「認証設備等強化事業」の執行)
 経産省の令和7(2025)年度補正予算の「ペロブスカイト太陽電池の認証設備等強化事業」を受託し、大型ソーラシミュレータ(太陽光パネルなどに疑似的な太陽光を照射する大型の人工的な光源装置)や環境試験装置などの最先端インフラを所内に整備中である。
 これは産総研内に閉じられるものではなく、市販品の適合性評価・型式認証を行う国内試験機関と密接に共有・連携される。これによって、国内メーカーが開発したペロブスカイト太陽電池が、安全かつ迅速に型式認証を取得して一般市場へ流通できるようにするための「国内受皿」(認証基盤)の早期確立を目指している。


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