太陽電池の性能評価に関連する主要規格

太陽電池の性能評価に関連する主要規格

 IEC/TC 82/WG 2で審議されている「太陽電池」の計測評価法や流通において重要となる主要な国際規格は、その目的に応じて図4のように分類できる。以降に、図4の上から順に見ていく。

図4  IEC/TC 82/WG 2における「太陽電池」の性能評価に関連するIEC規格

出所 国立研究開発法人産業技術総合研究所 吉田 正裕 氏(再生可能エネルギー研究センター 太陽光評価・標準研究チーム)提供資料をもとに編集部作成

 

〔1〕計測法(出力計測基準)

 太陽電池の電流-電圧(I-V)特性は、温度や光照度(光の強さ)により著しく変化するため、共通の測定・評価基準が不可欠である。その基盤として、次の2つの規格群が相互に連携して機能している(後述)。
 ■IEC 60891:測定によって得られたデータを環境条件に合わせて計算・補正する手順を規定。
 ■IEC 60904シリーズ(基本規格):測定環境のルールや測定機器の基準(測定手法)を規定。結晶シリコンや化合物系などの従来型太陽電池をベースに策定された、すべての性能評価の土台となる。

2〕発電量定格(エネルギー評価)

 〔1〕の測定法を参照し、特定の気候帯における日射量、あるいは年間を通じた累積発電量を実効的に算出・評価するための規格として、IEC 61853シリーズが規定されている。

〔3〕型式認証・安全適格性(流通基準)

 実際の製品流通(市場投入)において不可欠となる認証制度であり、相互に補完関係にある(後述)。
 ■IEC 61215シリーズ:設計適格性確認および型式認証(信頼性評価)を規定。
 ■IEC 61730シリーズ:製品の安全性適合性(安全適格性)を担保する61215シリーズの兄弟規格。
 ■IEC 62915:一度認証を取得したモジュールの設計変更(材料やプロセスの変更)に伴う再試験の手順を定義。

〔4〕品質管理(製造基準)

 太陽電池モジュールを量産する際の品質管理システム(QMS:Quality Management System)に対する固有の要求事項として、IEC 62941が規定されている。現在市販されている結晶シリコン等の主要製品は、この規格に準拠した管理体制下で製造されている。

〔5〕ペロブスカイトおよび有機太陽電池における測定法

 次世代デバイスであるペロブスカイト太陽電池の測定法は、ゼロからの新設ではなく、基本規格である既存の「IEC 60904シリーズ」の測定条件や手順をベースとしている。
 同デバイスには「ヒステリシス」や「準安定状態」といった特異な物理的性質があり、既存規格単体の適用では正確な評価が困難であることから、現在はIEC 60904シリーズを基本としつつ、これらの特性を補完する規格「IEC TS 60904-1-4 ED1」の開発が進められているが、その開発の参照となる技術情報として、次の規格がすでに発行されている(図4参照)。
 ■IEC TR 63228(技術報告書):太陽光発電の専門委員会「TC 82」で策定された、有機およびペロブスカイト太陽電池の測定プロトコルに関する技術情報。

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