太陽光発電分野における国際標準化体制と国内の対応組織

太陽光発電分野における国際標準化体制と国内の対応組織

〔1〕「太陽光発電システム」を審議する専門委員会「IEC/TC 82」

 ペロブスカイト太陽電池の標準規格に触れる前に、太陽電池全体の国際標準化体制について整理する。
 太陽光発電システムに関連する国際標準は、IEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)が所管しており、その傘下のTC 82(TC:Technical Committee、第82専門委員会)において「太陽光発電システム」全般に関する国際標準の審議が行われている(図3)。

図3 「太陽光発電システム」に関する国際標準審議組織構成「IEC/TC 82」(2026年7月現在)

出所 国立研究開発法人産業技術総合研究所 吉田 正裕 氏(再生可能エネルギー研究センター 太陽光評価・標準研究チーム)提供資料をもとに編集部作成

 

 TC 82の幹事国は米国、議長は英国、副議長は中国で、議決権をもつPメンバー(Participating Members、正会員)は48カ国、それ以外にオブザーバー参加しているOメンバー(Observing Members)の9カ国で構成されている。
 TC 82における規格策定のスコープ(適用範囲)は、次のように規定されている。

「太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する光起電システム、および光起電エネルギーシステム全体のすべての要素に関する国際標準を策定する。『光起電エネルギーシステム』には、光電池への光入力から、エネルギーが供給される電気システムとのインタフェースまでのすべての分野を含む」

 

吉田 正裕(よした まさひろ) 氏 
産総研 再生可能エネルギー研究センター 太陽光評価・標準研究チーム 上級主任研究員
2016年に産総研に入所。入所後は、ペロブスカイト太陽電池を含む各種新型太陽電池の性能評価計測法の開発に従事。また、IECエキスパートやJEMA国内委員会委員として、国際規格、国内規格策定プロジェクトにも従事。

 

〔2〕太陽電池パネルを審議するのは「IEC/TC 82/WG 2」

 図3に示すように、TC 82の傘下には複数のWG(Working Group、作業グループ)が組織されており、太陽電池セル・モジュールからシステム、周辺機器等、それぞれの専門分野に対応した審議が行われている。なかでも太陽電池モジュール(太陽電池パネル)に関する規格は、主にWG 2(モジュール)において標準化活動が推進されている。
 WG 2における主な対象領域(スコープ)は多岐にわたり、次のような項目が挙げられる。
 ・測定法[出力(W)]
 ・エネルギー定格[発電量(Wh)]
 ・設計適格性および安全適格性
 ・型式認証
 ・部材および材料(封止材、バックシート、コネクタ、バイパスダイオード等)
 ・その他〔BIPV(Building Integrated Photovoltaics、建材一体型PV、水上PV、積雪対応PV等〕

〔3〕国内審議団体としてはJEMAが統括

 これらIECの活動に対応する日本の国内審議団体としては、一般社団法人 日本電機工業会(以下、JEMA)注6が太陽光発電分野全体を総括している。JEMA内部には、太陽光発電システムを統括する標準化委員会が設置され、その下にIECの各WGに対応する分科会が組織されている。例えば太陽電池モジュールを扱う「WG 2」や、主にシリコン製太陽電池セルを扱う「WG 8」に対しては、JEMA分科会として「太陽光発電セル・モジュール分科会」などが密接に連携している。これらの分科会を通じて、日本国内における標準化の議論や意見集約、国際提案が進められている。


人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る
インプレスSmartGridニューズレター

定期購読は終了いたしました