IIJグローバルは2016年12月7日、IoTシステムの構築に必要な要素を集めて、業種別に適した形での提供を始めた。IIJグローバルは必要な技術を「コンポーネント」として提供することから「CaaS(Component as a Solution)」と呼んでいる。
この事業で提供する要素は大きく分けて3つ。センサーや製造機器と通信して、データをクラウドに送信するゲートウェイ機器と、データを送信するLTE閉域網通信サービス「IIJ GIOプライベートバックボーンサービス」、そして、業種ごとにクラウド上に構築したデータ分析アプリケーションだ。
図 IIJグローバルがIoTシステム構築のための提供するサービスの構成図
出所 IIJグローバル
業種ごとのアプリケーションは、2種類の提供から始める。1つ目はセンサーデータの分析に向けたアプリケーションで、センサーデータを収集、蓄積し、グラフなどの見やすい形で表示するアプリケーションだ。
2つ目は工場の製造機器などの稼働状況を分析するアプリケーション。制御機器が搭載するPLC(Programmable Logic Controller)を一元管理し、データを収集するアプリケーションだ。
IIJグローバルは今後、デジタルサイネージを制御するアプリケーションや、IPカメラを一括管理するアプリケーション、総合エネルギー、設備マネジメントシステムの提供を計画している。
ゲートウェイは、センサー機器などと通信してクラウド上のアプリケーションにデータを送信すつ役割を担う。提供するアプリケーションに応じて、複数の種類のゲートウェイを用意しており、例えば、PLCを一元管理するアプリケーションに向けては、PLCと接続可能なものを用意する。
ゲートウェイがクラウド上のアプリケーションと通信する手段としては、IIJが提供するLTE閉域網通信サービス「IIJ GIOプライベートバックボーンサービス」を提供する。顧客企業専用の閉域網を提供することで、セキュリティ強度を高め、データ漏洩などの事故が発生する可能性を下げる。
IIJグローバルは工場の製造設備の自動制御、ビルのエネルギー設備の管理といった用途を狙って売り込み、初年度に20社、2年目に200社からの受注を目指すとしている。
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IIJグローバル