電力小売事業を営むMCリテールエナジーは2018年10月30日、ローソンの複数店舗群を束ねてVPP(Virtual Power Plant)として活用する事業に参入すると発表した。AI(人工知能)で各店舗の消費電力量などのデータを分析し、店舗にある電気機器を遠隔制御して消費電力を抑制する。こうして消費した分の電力(ネガワット)をMCリテールエナジーの電力需給バランス調整や、電力調達コストの削減に役立てる。ちなみにMCリテールエナジーは2015年11月に三菱商事とローソンが共同出資で設立した企業。出資比率は三菱商事が92%で、ローソンが8%。
図 ローソンの複数店舗群を束ねてVPPとして活用する
出所 MCリテールエナジー
この事業では、ローソンが複数の店舗群の電気機器を統合管理、制御する「リソースアグリゲーター」となり、MCリテールエナジーは複数のリソースアグリゲーターを管理し、電力を受けるアグリケーションコーディネーターの役割を果たす。三菱商事はAIやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を活用したシステム開発と事業開発を支援する。
MCリテールエナジーは将来、全国のローソン店舗を束ねたVPPシステムの導入を目指す。各店舗のエネルギー消費量をAIによる制御で節約し、VPPの規模拡大によって電力系統安定化に向けたサービスの提供も視野に入れている。
さらにローソン店舗に限らず、商業施設やオフィスビル、一般家庭など、さまざまな需要家にVPPシステムの導入を進め、VPPの規模拡大を目指すとしている。